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「いまだ128キロのボールを!」“開幕戦”で貫録投球のソフト日本エース、上野由岐子を海外メディアも絶賛!「健在ぶりを示した」【東京五輪】

THE DIGEST編集部

2021.07.21

立ち上がりこそ崩れた上野だが、以降は危なげなくオーストラリア打線を封じ込んだ。(C)Getty Images

 ついに東京五輪の幕が開けた。

 7月21日、開会式(23日)や他の競技に先立って、ソフトボールが開幕。日本は2ランホームラン3本などでオーストラリアを8対1と突き放し、圧巻の5回コールド勝ち。これ以上にない形で白星発進を飾った。

 前日会見で宇津木麗華監督が「一晩考えさせてください」としていた先発には、やはり上野由岐子を指名。2008年の北京五輪で金メダル獲得の立役者となった大エースは、4717日ぶりとなる五輪登板で快投を披露する。

 立ち上がりは決して良くなかった。初回に2つの四死球などで1死満塁のピンチを招くと、5番チェルシー・フォーキンに死球を与えて押し出しの1点を与えてしまう。

 それでも百戦錬磨の38歳は地力が違う。続く打者を三振と内野ゴロに打ち取って窮地を脱すると、その後はオーストラリア打線を一切寄せ付けず。3回からは2イニングで5つの三振を奪う貫禄のピッチングを見せつけた。
 
 試合後にテレビのフラッシュインタビューに応じた上野は、「立ち上がり、丁寧にいきすぎてボールが先行して失点してしまい、正直、悔しかった。もっと大胆にいっても大丈夫だったのに」と反省を口にした。それでも、注目の"五輪開幕戦"でエースたる所以を存分に示した38歳には、海外メディアから称賛の声が集まっている。

 スペイン紙『Marca』は、「日本は6チームで争う大会で、アメリカと並ぶ優勝候補として素晴らしい力を示した」と宇津木ジャパンを称えたうえで、次のように上野のピッチングを褒めちぎる。

「オリンピックの始まりを告げる試合で投げたユキコ・ウエノは、2008年のチャンピオンチームからの生き残りだ。そんな彼女はホームチームをなんら不自由なく勝利に導いた。この木曜日に39歳となるにもかかわらず、いまだ128キロのボールを投げ込めるエースは、自らの力が健在であることを明確に示した」

 上野の好投と打線の奮起で快勝スタートを切った日本。次戦は明日22日、メキシコとの1次リーグ第2戦だ。ソフトボールは6チームが1回戦総当たりの1次リーグを戦い、上位2チームが27日、横浜スタジアムで開催される決勝に進出できる。

構成●THE DIGEST編集部