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“新生”体操ニッポン、団体は「0.103」差で銀メダル! 橋本大輝が、萱和磨が、谷川航が、北園丈琉が笑顔と悔しさの涙

THE DIGEST編集部

2021.07.26

お家芸に現れたニューカマー、橋本、谷川、北園、萱(左上から時計回り)が見事なパフォーマンスを見せつけた。(C)Getty Images

お家芸に現れたニューカマー、橋本、谷川、北園、萱(左上から時計回り)が見事なパフォーマンスを見せつけた。(C)Getty Images

<東京オリンピック2020/7月26日/男子体操団体決勝>

 日本のお家芸が、東京の地で躍動した。

 東京オリンピック2020は7月26日、男子体操の団体決勝が行われ、日本代表が2016年のリオ五輪に続く連覇を惜しくも達成できなかった。

“キング”内村航平が故障や加齢もあって代表から外れ、“新星”ニッポンと生まれ変わったチーム。萱和磨、谷川航、北園丈琉、橋本大輝の4人全員が五輪初出場というフレッシュなメンバーだ。それでも、内村が「僕いらないです。たぶん、それぐらい若手が伸びてきている」と送り出した若人は、その期待通りの演技で予選を1位通過すると、決勝でも圧巻のパフォーマンスを見せていく。

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 ゆかでは北園、橋本、谷川が出場。この種目では北園と橋本が揃って得点14.600を叩き出し、谷川も14.500と3人とも高い技術を見せつけ、まずは素晴らしい滑り出しを見せた。続くあん馬では萱と橋本、北園が出場。かつてはあん馬が苦手だったという橋本がここではチームを牽引した。

 その次はつり輪で、萱と谷川、橋本が出陣。唯一代表メンバー全員が苦手な種目だったが、ここでは橋本が活躍。そして跳馬では北園、谷川、橋本が出場し、谷川が難易度の高い大技リ・セグァン2を見事に決めて15.233の高得点を叩き出す。

  日本は3種目を終えて2位と好位置につけたが、ライバルがここで猛追する。ROC(ロシアオリンピック委員会)が4種目を終えた時点で177.403でトップ。日本は173.931点と3点差、そして0.098点差で中国が日本を抜いて2位に躍り出る。3ヵ国ともミスをしない激戦の中、5種目の平行棒では萱、北園、谷川が出場。萱、北園が15点、谷川も14.666点とハイレベルな演技でトップのROCを追いかけ、およそ1.3点差で2位につける。

 ミスは一つも許されない状況。迎えるは伝説の鉄棒だ。日本最初は“ミスしない男”萱、高難度を次々と決めて最後はガッズポーズ。予選より得点を上げて北園にバトンを渡した。18歳最年少の“内村2世”はG難度のカッシーナ、E難度のコールマンをしっかり決め、Eスコア8.6000と彼らしい美しい演技でその差を詰める。一方で首位のROCは床で場外に出る凡ミスを連発。一気に勝負は分からなくなってきた。
 
 そして日本の最後は、新エースの橋本にすべてを託す。すべての離れ業を決め、完璧な芸術力がその空に舞うと、着地も一歩もぶれることなく成功。日本陣営全員が喜び、橋本を雄たけびを上げた。果たしてスコアは、15.100で中国を抜き去る。

 あとはROCの残すゆか。構成難度を上げたその演技は、14.666…。0.103の差。日本の歓喜は惜しくも届かず、連覇とはならなかった。しかし、我々は見届けた。新生ニッポンの底力を。その実力を。

【男子体操団体決勝・最終結果】
1位 ROC 262.500
2位 日本 262.397
3位 中国 261.894

構成●THE DIGEST編集部

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