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やはり無念だった無観客開催。英国人記者が感じた国際大会での日本人の“素晴らしさ”とは【東京五輪】

スティーブ・マッケンジー

2021.07.30

開催直前に決定した無観客。その判断に英国人記者は何を想うのか。(C)Getty Images

開催直前に決定した無観客。その判断に英国人記者は何を想うのか。(C)Getty Images

 東京オリンピックの開幕から約1週間が過ぎた。

 すでに様々なドラマが展開されているが、そのなかでも注目に値するのは、新たに存在感を強めた選手たちだろう。トム・デイリー(シンクロナイズドダイビング)、西矢椛(スケートボード)、シモーネ・バイルズ(体操)といった様々なアイデンティティーを持った選手たちは、間違いなく今後のスポーツ界を象徴するニュースターと言える。

 個人的に興味深かったのは、13歳で金メダルを獲った西矢椛だ。

 オリンピックの新種目となったスケートボードにあって、13歳の少女が見せた活躍は、新たなファン獲得に大きな役割を担ったはずだ。若い世代を大会に惹きつけ、新たなアスリートを生む意味でも、彼女のひたむきな姿は小さくない刺激になったに違いない。

 そして、コロナ禍の今大会にあって個人的に残念に思うのは、無観客開催となったことだ。
 
 東京の感染状況が悪化していると聞いているだけに致し方のないことだとは思う。ただ、私は2019年に開催されたラグビーワールドカップを取材した際に、ホスト国として素晴らしい“おもてなし”をしてくれた日本人スタッフたちに感激したのを覚えている。いまだに友人に、あの時の日本の素晴らしさを説くぐらいだ。

 日本人は、誰に対しても敬意を払い、何よりも仕事熱心だ。さらに彼らはスポーツに関して非常に知識が豊富だ。たとえ、詳しくないスポーツであっても、彼らは真剣に下調べをし、知識を深く取り入れて観戦する。だからこそ、普段は見慣れない数多のスポーツが存在するオリンピックのような国際大会は、相応しいと考えていた。

 私はロンドンに暮らしており、東京の状況を完全には把握してはいない。それだけに彼ら(日本人)がコロナ禍で強いられている、あらゆる“犠牲”も理解しきれてはいない。そんな私が言うのはおこがましいのかもしれないが、もしも、有観客で行なわれていれば、日本人に対する世界の見方はよりポジティブなものになっていたはずだ。それが私は残念でならない。

 コロナ禍の東京オリンピックは、悪しき面でも人々の記憶に残るだろう。私は、それが少しでも良い記憶になるよう、大会が最後まで無事に行なわれることを願いたい。

文●スティーブ・マッケンジー

Steve MACKENZIEスティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーターだ。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で手掛け出版した。

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