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「最後気持ちで戦いました」向田真優が大逆転で53キロ級女王に!レジェンド吉田の後を引き継ぐ【東京五輪】

THE DIGEST編集部

2021.08.06

劇的な逆転で金メダルを手にした向田真優。気持ちの勝利を強調した。(C)Getty Imaes

 8月6日、東京五輪のレスリングは6日目を迎え、女子53キロ級の決勝に日本の向田真優(ジェイテクト)が登場。中国のホウ・セイギョクに5-4で勝利し、初の金メダルを獲得した。

 レジェンド・吉田沙保里と同じ階級で、"ポスト吉田"と評される向田。オリンピックには初出場だが、過去に世界選手権(55㎏級)を2度制している実力者だ。今大会でも準決勝まで終始主導権を握って勝利を重ね、決勝に向けて「最初から攻めて、6分に全てをかけたい」と決意を述べていた。

 しかし決勝では思わぬ苦戦を強いられる。向田は武器のタックルをホウにうまく返され、第1ピリオドで0-4とリードされる展開。しかし第2ピリオドに入ると怒涛の追い上げを見せ、素早いタックルを起点に4-4に追いつく。最終盤には気迫でホウを場外に追い出し、向田が5-4と逆転した。

「最後は神頼みする気持ちで、絶対勝つという思いを持ち続けました」と逆転劇を振り返った向田。「自分のレスリングはできてなかったですけど、最後気持ちで戦いました」と、精神力の勝利を強調した。
 
 五輪でのこの階級は、吉田が3連覇した後、前回リオ大会では銀メダルに泣いた。それを取り返した形になるが、「沙保里さんは何連覇もしているので比べ物にならないですけど、今回自分が出させてもらうことになったので、もう何が何でも絶対に金メダルを取ろうと思って頑張りました」。吉田の存在があったことも、向田にはモチベーションになったようだ。

 続けて、コロナ禍で思うような練習ができない時期も自分を支えてくれた、婚約者の志土地翔大コーチに感謝。「自分よりも本当に苦しいことがたくさんあったと思うんですけど、いつも励ましてもらった。この大会で優勝することを目標にやってきたので、本当にうれしい」と、目に涙をためつつ喜んだ。

 表彰式後には、その志土地コーチと写真に納まっていた向田。「この日のために頑張ってきた。その成果が出せて良かった」と述べ、最高の笑顔を見せた。

構成●THE DIGEST編集部

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