9月19日、バレーボール男子のアジア選手権の決勝が、千葉ポートアリーナで行なわれ、日本はイランに0-3でストレート負け。2017年以来、2大会ぶり10度目の優勝を逃した。
【動画】JVAが公開した日本の圧巻2ブロックシーンをチェック!
前日の台湾戦で脚の状態が芳しくないと欠場していた高橋藍をスタメンに復帰させて臨んで日本。第1セットは主将の石川祐希や高橋の強力なスパイク、さらにリベロの山本智大の好守などでデュースに持ち込む粘りを見せる。しかし、相手のパワーの前に最後は25-27で競り負けてしまう。
迎えた第2セットは宮浦健人の活躍でリードする場面もあったが、終盤のミスなどで22-25とものにできず。結局、第3セットも29-31と落とし、1セットも奪えずに文字通りの力負けを喫した。
8月の東京五輪では、フルセットの末に勝利を飾っていたイランに完敗した。ともに五輪時とはメンバー構想が異なったが、先の対戦で両チーム最多の30得点を挙げた西田有志の欠場が日本にとっては、決定力の差となって現れたかたちとなった。
このファイナルを前に「アジアでチャンピオンにならないと、世界では勝っていけない」と、2024年パリ五輪に向けた試金石としていた石川は「ブロックなどディフェンス面でイランとは差があった」と分析。そのうえで反省を口にした。
「向こうはサーブもミスなく、前に打ってきて、こちらのパイプ攻撃を減らしてサイドにブロックをつけるなど、システムがしっかりとしていた。こちらは僕自身も含めてサーブミスも多く、安定して質の高いサーブを打たなければいけないと感じた。強化したブロックも発揮できず、ブロックに対する意識が課題だと思った」
キャリアで初めて代表の主将として臨んだ今季の石川。そんな25歳のカリスマは、「学ぶことが多く充実した時間が送れて成長した」と振り返りつつ、「ただ、チームを勝たせることが主将の役目。まだまだ、実力不足」と、厳しい自己評価を語った。
この試合後に9月いっぱいでの退任を発表した中垣内祐一監督は、「アジア選手権は(日程がタイトで)肉体的にも厳しい。選手たちは最後まで持つかなと心配したが。最後まで集中力を切らさずプレーしてくれたことは収穫であり、うれしいこと」と、優勝は逃したものの2位につけ世界選手権の出場権を獲得した選手たちを評価した。
またイラン戦の内容を問われ、「彼らは強くて(アジアの中では)飛び抜けており、正直に言って一方的な展開もあるかなと思っていた」と告白。「選手たちは食らいついて最後までハラハラさせる見応えのある試合をしてくれた。勝ち切れなかったのは反省点だが、選手たちがよく感じているのではないか」と、選手たちのさらなる成長に期待を寄せた。
取材・文●北野正樹(フリーライター)
【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。関西運動記者クラブ会友。
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前日の台湾戦で脚の状態が芳しくないと欠場していた高橋藍をスタメンに復帰させて臨んで日本。第1セットは主将の石川祐希や高橋の強力なスパイク、さらにリベロの山本智大の好守などでデュースに持ち込む粘りを見せる。しかし、相手のパワーの前に最後は25-27で競り負けてしまう。
迎えた第2セットは宮浦健人の活躍でリードする場面もあったが、終盤のミスなどで22-25とものにできず。結局、第3セットも29-31と落とし、1セットも奪えずに文字通りの力負けを喫した。
8月の東京五輪では、フルセットの末に勝利を飾っていたイランに完敗した。ともに五輪時とはメンバー構想が異なったが、先の対戦で両チーム最多の30得点を挙げた西田有志の欠場が日本にとっては、決定力の差となって現れたかたちとなった。
このファイナルを前に「アジアでチャンピオンにならないと、世界では勝っていけない」と、2024年パリ五輪に向けた試金石としていた石川は「ブロックなどディフェンス面でイランとは差があった」と分析。そのうえで反省を口にした。
「向こうはサーブもミスなく、前に打ってきて、こちらのパイプ攻撃を減らしてサイドにブロックをつけるなど、システムがしっかりとしていた。こちらは僕自身も含めてサーブミスも多く、安定して質の高いサーブを打たなければいけないと感じた。強化したブロックも発揮できず、ブロックに対する意識が課題だと思った」
キャリアで初めて代表の主将として臨んだ今季の石川。そんな25歳のカリスマは、「学ぶことが多く充実した時間が送れて成長した」と振り返りつつ、「ただ、チームを勝たせることが主将の役目。まだまだ、実力不足」と、厳しい自己評価を語った。
この試合後に9月いっぱいでの退任を発表した中垣内祐一監督は、「アジア選手権は(日程がタイトで)肉体的にも厳しい。選手たちは最後まで持つかなと心配したが。最後まで集中力を切らさずプレーしてくれたことは収穫であり、うれしいこと」と、優勝は逃したものの2位につけ世界選手権の出場権を獲得した選手たちを評価した。
またイラン戦の内容を問われ、「彼らは強くて(アジアの中では)飛び抜けており、正直に言って一方的な展開もあるかなと思っていた」と告白。「選手たちは食らいついて最後までハラハラさせる見応えのある試合をしてくれた。勝ち切れなかったのは反省点だが、選手たちがよく感じているのではないか」と、選手たちのさらなる成長に期待を寄せた。
取材・文●北野正樹(フリーライター)
【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。関西運動記者クラブ会友。