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「信じられない数字だ!」F1通算100勝を達成したハミルトンにMotoGPのロッシが祝福メッセージ!

甘利隆

2021.09.28

ハミルトン(右)の偉業にロッシ(左)がメッセージを寄せた。(C)Getty Images

 ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が、ソチ・オートドロームで行なわれたF1・第15戦ロシア・グランプリで、前人未踏となる通算100勝を達成した。

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 ソチオリンピックの会場跡地に建設されたコースは、F1開催サーキットの中でも全開区間が長く、2014年の初開催以来、パワーに勝るメルセデス勢がずっと勝ち続けており、今回の勝利で連勝を8まで伸ばした。

 しかし、レースウィークを通じて雨にたたられこともあって、史上最多勝ドライバーは予選4番手。決勝でもポールポジションからスタートしたランド・ノリス(マクラーレン)にリードを許す。2位につけていたレース最終盤、タイヤをインターミディエイトに交換したタイミングが功を奏し、あと2ラップを残す時点でスリックのままトップを走り続けていたノリスがコントロールを失ってコースアウト。勝負は決した。

 フリー走行ではピットイン時にマシンとスタッフが接触、予選Q3でもピットロードの入り口でフロントウィングを破損するなど、冴えない場面が目立ち、薄氷ならぬ薄水を制しての、記念すべき優勝だった。

 当時、チャンピオン争いの常連だったマクラーレンからデビューし、近年は圧倒的な強さを見せるメルセデスで走っていることも確かに大きいが、恵まれた環境に見合ったパフォーマンスを発揮し続けるのは、決して楽なことではないだろう。

 この偉業には2021年いっぱいでの現役引退を表明しているMotoGPの帝王、ヴァレンティーノ・ロッシも反応。今シーズン所属するペトロナス・ヤマハ・SRTのSNSから「ルイス、100勝を達成した初めてのF1ドライバーになっておめでとう! 信じられない数字だよ」と祝福のメッセージを発信した。
 
 尊敬し合う4輪と2輪のレジェンドは以前から交流を持ち、2019年の12月にはふたりをサポートするモンスターエナジーの計らいで、メルセデス W08とヤマハ YZR-M1を交換して走らせている。

「君が走るのをいつも楽しんで観ているけど、その素晴らしいキャリアは、僕に多くの喜びを与えてくれる。またすぐに会えることを楽しみにしているよ!」

 一方のロッシも2輪ロードレースの最高峰クラスで通算89勝(MotoGPクラス:76勝、500ccクラス:13勝)、他のクラスも合わせれば通算115回優勝している。世界GP全体で見れば通算122勝のジャコモ・アゴスチーニがトップだが、最高峰クラスに限れば68勝。"THE DOCTOR"の愛称で知られるカリスマを史上最高のライダーと評しても差し支えないだろう。

 同一クラスのみでの100勝となると、いずれも市販車ベースという名目で行なわれている4輪のNASCARで通算200勝を収めたリチャード・ペティ、WSBK(スーパーバイク世界選手権)の2021年開幕レースで100勝目を挙げたジョナサン・レイ(カワサキ・レーシング・チーム・WorldSBK)とよりその達成者は少なくなる。ちなみにレイは現在もトップ争いを繰り広げ、その記録を積み上げている。

 ハミルトンは表彰台獲得回数176とこちらもミハエル・シューマッハの155回を超える史上最多を更新中だが、現在、ロッシも最高峰クラスのポディウム登壇が199回と区切りの200にあと1回と迫っている。

「最終戦のバレンシアGPまでにひとつ願いが叶うなら最後にもう一度表彰台に立ちたいね」と本人も意欲十分なだけに今度はこちらから良いニュースを届けたいところだ。

【関連動画】前人未到の大記録!ハミルトンが100勝を達成した瞬間の映像

文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super
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