バレーボールのV1リーグ女子のヴィクトリーナ姫路に、球団オーナーで元日本代表女子監督の真鍋政義氏が数年前から将来を見込んでいたオランダ代表のアタッカー、セレステ・プラクが入団し、10月4日に兵庫県姫路市内で記者会見が行なわれた。昨季、レギュラーラウンドで最下位(最終順位決定戦で10位)の姫路だが、真鍋氏は「高さにパワーがある。決定力不足のチームが、一躍、リーグの台風の目になる可能性もある」と期待を寄せている。
プラクは2013年にオランダ代表に選出され、16年のリオデジャネイロ五輪4位や18年の世界選手権4位、21年欧州選手権4位などに貢献。190センチの高さからパワフルなスパイクを決めるところから、樹木をたたき切る意味の「chop」と、名前の頭文字であるCelesteの「C」と、Plakの「P」を取り、「Cioppi」(チョッピ―)の愛称で親しまれている。
代表デビューは13年の日本代表との親善試合。代表監督を務めていた真鍋氏との縁はここから始まった。当時の印象を「まだ、19か20歳。高さにパワーがあり、これからオランダの主力になる選手だ」と直感したという。その後、16年のリオ五輪世界最終予選でも対戦、その成長ぶりを見続けてきた。
今回、プラク獲得に動いたのは、真鍋監督のもとで日本代表女子のアシスタントコーチを務め、10年の世界選手権と12年のロンドン五輪での銅メダル獲得に貢献し、代表監督として17年のU20世界選手権銅メダルに導いた安保澄氏。19年から姫路のゼネラルマネジャー(GM)を務め、同年のワールドカップでのプレーを見て、獲得を決めたという。「フロントのライトサイドがポジションだが、レフトサイドからも、バックミドルからも打てるユーティリティーのアタッカー。打球(105キロ)は、日本人では打てない速さ。あの得点力がチームに必要だと思った」と安保GM。
記者会見で、プラクは「コロナ禍で難しい決断だったが、日本には何度も来て美しい国で気にいっていた。いくつかのチームから来てほしいという話はあったが、一番来てほしいという気持ちが伝わった姫路に来た」と、複数の国内チームからのオファーがある中で姫路を選んだ理由を説明。球団オーナーが、相手チームで指揮を執っていた真鍋氏であることも、理由の一つであったことは間違いないだろう。
プラクは「ゴールは、ファイナルステージに進出する3位以内。力強いアタックと、プレーしている時の私の眼の中の炎を見てほしい」と、全力プレーでの上位進出を約束した。
姫路は、昨季、レギュラーラウンドで4勝17敗の最下位。決定力に欠けフルセット負けが4試合あったが、プラクの加入で競り負ける試合は少なくなりそうだ。
真鍋氏は、気迫あふれる抱負に「うれしいことを言ってくれますね。これまでチームに来た外国人選手の中では一番、力がある。まだまだチームは実力不足だが、リーグの台風の目になって上位進出を果たしてほしい」と期待を寄せていた。
V1リーグは男女とも、10月15日に開幕。女子は12チームによる3回戦総当たり方式によるレギュラーラウンドを行い、上位3チームがファイナルステージに進出する。
文●北野正樹(フリーライター)
【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。関西運動記者クラブ会友。
プラクは2013年にオランダ代表に選出され、16年のリオデジャネイロ五輪4位や18年の世界選手権4位、21年欧州選手権4位などに貢献。190センチの高さからパワフルなスパイクを決めるところから、樹木をたたき切る意味の「chop」と、名前の頭文字であるCelesteの「C」と、Plakの「P」を取り、「Cioppi」(チョッピ―)の愛称で親しまれている。
代表デビューは13年の日本代表との親善試合。代表監督を務めていた真鍋氏との縁はここから始まった。当時の印象を「まだ、19か20歳。高さにパワーがあり、これからオランダの主力になる選手だ」と直感したという。その後、16年のリオ五輪世界最終予選でも対戦、その成長ぶりを見続けてきた。
今回、プラク獲得に動いたのは、真鍋監督のもとで日本代表女子のアシスタントコーチを務め、10年の世界選手権と12年のロンドン五輪での銅メダル獲得に貢献し、代表監督として17年のU20世界選手権銅メダルに導いた安保澄氏。19年から姫路のゼネラルマネジャー(GM)を務め、同年のワールドカップでのプレーを見て、獲得を決めたという。「フロントのライトサイドがポジションだが、レフトサイドからも、バックミドルからも打てるユーティリティーのアタッカー。打球(105キロ)は、日本人では打てない速さ。あの得点力がチームに必要だと思った」と安保GM。
記者会見で、プラクは「コロナ禍で難しい決断だったが、日本には何度も来て美しい国で気にいっていた。いくつかのチームから来てほしいという話はあったが、一番来てほしいという気持ちが伝わった姫路に来た」と、複数の国内チームからのオファーがある中で姫路を選んだ理由を説明。球団オーナーが、相手チームで指揮を執っていた真鍋氏であることも、理由の一つであったことは間違いないだろう。
プラクは「ゴールは、ファイナルステージに進出する3位以内。力強いアタックと、プレーしている時の私の眼の中の炎を見てほしい」と、全力プレーでの上位進出を約束した。
姫路は、昨季、レギュラーラウンドで4勝17敗の最下位。決定力に欠けフルセット負けが4試合あったが、プラクの加入で競り負ける試合は少なくなりそうだ。
真鍋氏は、気迫あふれる抱負に「うれしいことを言ってくれますね。これまでチームに来た外国人選手の中では一番、力がある。まだまだチームは実力不足だが、リーグの台風の目になって上位進出を果たしてほしい」と期待を寄せていた。
V1リーグは男女とも、10月15日に開幕。女子は12チームによる3回戦総当たり方式によるレギュラーラウンドを行い、上位3チームがファイナルステージに進出する。
文●北野正樹(フリーライター)
【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。関西運動記者クラブ会友。