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バレーボール

Vリーグ男子が15日開幕!人気回復や"プロ化"に向けて「機構と選手が一体となることが必要」と選手の声も

北野正樹

2021.10.08

バレー界の発展に向けて、パナソニックの清水(左)も持論を展開した。写真提供:Vリーグ機構

バレー界の発展に向けて、パナソニックの清水(左)も持論を展開した。写真提供:Vリーグ機構

 バレーボールのVリーグ機構は10月7日、2021~22年シーズンの開幕(15日から)を前に、V1男子10チームの主将らによる記者会見をオンラインで開いた。

 昨季優勝のサントリー・大宅真樹主将は「昨年より精度は上がっており、連覇に挑戦出来る幸せを感じながら戦いたい」と、2連覇に意欲をみせた。また、一部選手からは、日本代表男子が東京五輪で29年ぶりの決勝トーナメント進出をバレー人気につなげるためにも、「機構と選手が話し合い、一緒にファンに来てもらえるような企画を考えることが必要」との切実な意見も出た。

 会見で「バスケット人気をどう思うか」との質問で、指名を受けたパナソニックの清水邦広らが発言した。

 清水は「何度か試合を観戦した」と前置きした上で、「Bリーグは本当に勢いがあり、見ていて面白い。試合と(イベントなどの演出の)エンタテイメントが両立している。Vリーグもバレーだけでなく、両立が必要。家族連れやファンの方が『遊園地に行ってみよう』と、バレー会場を訪れるというのが理想」と自説を展開。五輪でも活躍したJTの小野寺太志も「会場に足を運んでもらえるようにすると同時に、メディアの露出をもっと増やしてほしい。選手一人ひとりも、SNSなどで発信することも必要。プレーを見てもらう機会を、一体となって作っていくことが大事」と、選手の意識の向上と、機構側との連携を訴えた。
 
 V機構は、参加チームの親会社で温度差のあるプロ化に代わり、チームが独立採算で経営基盤を確立することを理想に、チーム運営の"プロ化"を進めている。各チームは自主運営のホームゲームを開催して収益をあげる努力をしているが、これまで資金的な問題もあり機構側からの支援を得ることが出来にくい状況だった。

 しかし、今年5月に國分裕之氏が代表理事(会長)に就任。チームへのヒアリングなどを進め「改革委員会」を立ち上げる一方、経営基盤を強化し各チームに支援が出来るようスポーンサー確保にも本格的に乗り出し始めている。

 選手らの危機感を聞く体制は出来ており、今後、機構、チーム、選手が一体となりファン・ファーストの運営を進めるとみられるが、改革は緒についたばかり。まずは、選手の声を吸い上げることが急務になる。

 V1男子は10チームが参加。10月15日から来年3月27日まで4回戦総当たりのレギュラーラウンドを行い、その上位3チームが優勝を争うファイナルステージ(4月9~17日)に進出する。

文●北野正樹(フリーライター)
【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。関西運動記者クラブ会友。

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