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角田裕毅にも恩恵が?F1ルーキーや次期ドライバーの苦境に対する「改善策」を専門メディアが紹介

THE DIGEST編集部

2021.10.18

初のF1に挑んだ角田にとって、実走時間の短さは大きなハードルになっている。(C)Getty Images

 今季、F1デビューを飾ったのは、スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅、ハースのミック・シューマッハー、ニキータ・マゼピンの3人。いずれも下部カテゴリーで実績を残した上で最高峰レースに昇格してきた彼らは、着実な進歩を見せてはいるものの、一方で幾度もスピン等を喫するなど苦労している印象も強い。

 原因は様々だろうが、そのひとつとして挙げられるのが、F1の走行機会の少なさだ。角田の場合、デビュー戦の前にコースに出られたのは、昨季の2018年型のトロロッソ(アルファタウリの前身)を使ってのプライベートテスト、ヤングドライバーテスト、2019年型車での3度のテストと動画撮影用の走行、そして開幕前のバーレーンでの全チーム合同テスト。しかしこの直前テストも、ドライバーひとりに割り当てられたのが1日半と、過去最短だった。

 フランツ・トスト代表は現在のF1が非常に複雑なものとなっており、完全に理解できるようになるには3年を要すると幾度も主張している。また、下部カテゴリーの車とは加速やブレーキ、そしてGフォースが大きく異なると角田自身も認めているが、これに完全に慣れないままにコースに出て、タイムアタックで結果を出すとともに、レースでは百戦錬磨の猛者たちとのバトルを強いられているのが現状だ(それでもすぐに結果を出したマックス・フェルスタッペンらのような稀少な例もあるが)。
 
 以前にはF1デビュー前に数千キロものテスト走行をこなしたドライバーもいたF1において、歴代のルーキーの中で最も過酷な状況に置かれているのは今季の3人であるとは多くの有識者も認めている。そして、そんな3人の後ろには、F1のシートを狙う若いドライバーたちが、F2やツーリングカーレースなどで活動を進めながら、声がかかるのを待っている。

 こうした状況は、若い才能の潰し合いとなり、最高峰レースの未来を暗くすると危惧するとされており、専門メディア『GPBLOG』は現在、これに対する改善策を紹介。まず、来年からの実施が計画されているものとして、少なくとも2つのフリー走行において、経験の少ないドライバー(定義は未定)を走らせるというものだ。