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「キャリアに相応しい最後を」ドイツ紙が内村航平の去就に言及。現役続行なら「1年後のリバプール大会を目指すべき」

THE DIGEST編集部

2021.10.28

内村の輝かしいキャリアは、どのようなかたちでフィナーレを迎えるのだろうか。(C)Getty Images

 10月24日まで行なわれていた体操世界選手権で、男子種目別鉄棒に出場した内村航平。東京五輪からおよそ3か月、世界選手権という大舞台で披露した渾身の演技は、観るものの胸を打つ、元王者としての意地が伝わるものだった。

 序盤から3つの離れ業を入れ、最後の着地を完ぺきに決めるなど、地元での演技を見事にやり切った内村。大会終了後には、今後について「(現役を)続けるにしてもやめるにしても、相当考えなければいけない」と明言を避けた。

 とはいえ、「体操ニッポン」の先頭に立ち続けた第一人者の動向は、海外メディアも関心を寄せている。ドイツ紙『SZ』は内村の今大会までを振り返りつつ、これからの競技人生についても触れた。
 
 同メディアは内村について「優しさと寛容さを兼ね備えた天才的な体操選手」と表現し、その上で「このようなレベルの高い選手は、負傷して姿を消したり予選に出たりすることは望んでいない。素晴らしいキャリアのエンディングとは、良い本の結末のようなものであり、ウチムラにもそのような最後が必要だ」として、功績に相応しい晩年を迎えるべきと説いた。

 また、現役続行を決断した場合は「最後を飾るに相応しい挑戦を」と述べており「1年後のリバプールで開催される世界選手権を目指すべきだ」と次回大会出場についても言及している。

 世界選手権では10度頂点に立ち、オリンピックも東京大会まで4度の出場で3つの金メダルを獲得するなど、世界の第一線で戦ってきた内村。記事は、内村の今後の決断について「長い時間と、何日もの夜を経て決められるだろう」と結んでいる。国内外の人々が注視する答えがどのようなものになるにせよ、これまで内村の残してきた功績は燦然と輝き続けるだろう。

構成●THE DIGEST編集部