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渋野日向子が窮地から見せた「オモシロ劇場」。メンタルだけでなく技術面にも見えた“着実な成長”とは?

THE DIGEST編集部

2021.11.01

笑顔でトロフィーを掲げる渋野。土壇場からの見事な逆転劇で今季2勝目を手にした。(C)Getty Images

笑顔でトロフィーを掲げる渋野。土壇場からの見事な逆転劇で今季2勝目を手にした。(C)Getty Images

 国内女子ツアーの『樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント』最終日(10月31日)、ともに7アンダーでスタートした渋野日向子とペ・ソンウは序盤から追いつ追われつのシーソーゲームを演じた。

【画像】JLPGAが公開した渋野日向子の最終日“厳選ショット”をチェック!

 最終的に通算9アンダーでフィニッシュした両者の勝負はプレーオフへ。その1ホール目で渋野がイーグルを奪取。ペ・ソンウを下して、今季2勝目&国内ツアー通算6勝目を飾った。

 17番パー4でペ・ソンウがバーディを奪い、渋野に2打差をつけた際には、さすがに残り1ホールでの逆転は厳しいと思われた。最終18番ホールはパー5でペ・ソンウがバーディを奪えば、渋野がイーグルでも追いつけないからだ。

 しかし、渋野にネガティブな考えはひと欠片もなかった。むしろスイッチが入り、ギアを上げたという。そして彼女は「イーグルを獲るしかないと思い、ドライバーをマン振りしました」と、迷いなくドライバーを振り抜いた。

 そんな強い気持ちがボールを後押ししたのか、ピンまで残り199ヤード地点までボールが転がっていく。なんと2打目を7番ウッドで放ち、ピン上7メートルにつけたのだ。

 実は渋野は今年6月にある思いを抱いていた。

「『全米女子プロ選手権』2日目の上がり2ホールでバーディ、イーグルを奪い、予選通過したんです。そのときに『見ていて面白いゴルフをしてくれてありがとう』と日本人のギャラリーが言ってくださって、以来、面白いゴルファーになりたいなと」
 
 このホールではイーグルを奪えなかったものの、豪快なショットを続けて見せ、ギャラリーも十分面白いと思ったはずだ。ただ、渋野の“オモシロ劇場”はまだ終わらない。ペ・ソンウがパーでホールアウトし、勝負がプレーオフにもつれ込んだのだ。

 18番でイーグルを奪えず、一度は優勝をあきらめただけにもう失うものはない。同じ18番を舞台にしたプレーオフ1ホール目でも渋野はドライバーを振る。

 今度はピンまで220ヤード残った渋野は、3番ウッドでグリーンを狙う。グリーン左手前にバンカーが口を開けて待っていたが、ボールはそれを避けるかのようにバンカーとグリーンの間のゾーンに跳ねた後、グリーンをとらえてピン左3メートルにつけた。

 そして上りのラインを迷わずにストロークすると、ボールはカップのど真ん中から消えていった。今度こそ正真正銘のイーグル。これでペ・ソンウとの勝負に決着をつけたのだ。
 
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