いまやボクシング界屈指の強さを誇る井上尚弥。そんな“モンスター”には、闘いを申し出るチャレンジャーがひっきりなしに現れる。現地時間11月26日に「強いのはあいつだけじゃない。俺だって十分に強い」と訴え出たのは、WBAバンタム級10位のジョナス・スルタン（フィリピン）だ。
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　現在29歳のフィリピン戦士も実績は、本人の言う通り「十分に」ある。キャリア23戦で18勝（11KO）を誇り、2017年には判定決着であったものの、ジョンリエル・カシメロに勝利。直近の試合では、今年10月にプエルトリコの猛者カルロス・カラバロを撃破。WBOインターコンチネンタルバンタム級王座を獲得している。

　もっとも21戦無敗18KOの絶対王者には実力で遠く及ばない。しかし、「ワンパンマン」の異名も持つ男は、27日に公開されたフィリピンの放送局『ABS CBN』のインタビューでも、「俺はどれだけ弱者と言われようと、イノウエとの対戦を夢見ている。相手が弱者となれば、プレッシャーがかかるのは向こうで、こっちは恐いものがない」と打倒・井上を堂々と宣言したのである。

「イノウエはたしかに強い。周りは俺が勝てないと言ってきている。でも俺はどんな時も自分に『絶対に勝てないなんてありえない』と言い聞かせてやってきた。勝てる道筋は必ずあるんだ」
  　並々ならぬ闘志を燃やすスルタンは、「相手を痛めつければいいんだ」と井上からのアップセットを誓っている。

「世界チャンピオンから勝つことはすべてのボクサーの夢であり、俺の野望だ。とにかくイノウエには対戦をポジティブに考えてもらいたい。そして、恥ずかしがらずに、自分の中にある恐れを直視してもらいたいね」

　まさに恐れ知らずのスルタン。カシメロと同様のMPプロモーションに所属する彼が自身の野望を叶える日は訪れるのか。12月14日に両国国技館でWBA８位・IBF５位アラン・ディパエン（タイ）との防衛戦に臨む井上の今後の動向が早くも気になるところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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