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格闘技・プロレス

ディパエン戦は「退屈だった」。井上尚弥の久々防衛戦を米専門メディアが辛辣評価!「残念な年だった」と“総括”も

THE DIGEST編集部

2021.12.17

ディパエンに快勝を収めた井上。だが、一部の海外メディアからは批判的な声も飛んでいる。(C)Getty Images

ディパエンに快勝を収めた井上。だが、一部の海外メディアからは批判的な声も飛んでいる。(C)Getty Images

 余裕すら感じさせる強さではあった。12月14日に両国国技館で、IBF同級5位アラン・ディパエン(タイ)と対戦したボクシングWBA&IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(大橋ジム)である。

 序盤から攻勢に出た。何発もの強烈なパンチをボディや顔面に浴びせた井上は、「やっているこっちがメンタルやられそうだった」というディパエンのタフネスにやや手こずりながらも、主導権をガッチリと握る。そして打たれ続けた相手がさすがに疲労の色を見せ始めた8回に、渾身の左ストレートを見舞ってついにダウンを奪取。続けざまに左フックを浴びせ、勝負を決めた。

 試合後に当人は「戦前の予想、期待をはるかに下回る試合をしてしまい、本当に申し訳ありませんでした」と口にした。だが、終始、相手の動きを見定めながら試合を進めるパフォーマンスは、ディパエンにはない“絶対王者”の余裕を感じさせるものだった。それは米専門メディア『Boxing Scene』も「切望するスーパーファイトが楽しみになる勝利だった」と認めるところである。

 しかし、一部の海外メディアで、今回の井上のパフォーマンスは「決して最高なんかではない」という厳しい指摘が飛んだ。日夜、ボクシングの情報を発信し続けている米専門メディア『Boxing247』は、次のように論じた。

「アラン・ディパエン戦のイノウエは、時々退屈さすら感じさせた。もちろんディパエンが、驚くべきタフさと耐久性、そして気概を見せた点は評価すべきだが、日本のモンスターがようやく膠着状態を打開できたのは7回を過ぎてから。それまではあまり知られていない相手に最高の闘いを見せつけられてはいなかった」
 
 ただ、同メディアは「アンダードッグとの闘いは容易ではない」とも指摘。そのうえで「今年のイノウエは、自身の野望である統一戦というビッグマッチが組まれずに残念な年だった」と振り返り、こう続けた。

「2022年はドネアもしくはカシメロに対峙するイノウエが見られるはずだ。彼は真の闘いがある時ほど、最高のものを見せつけてくれるファイターだ」

 ディパエン戦後のリング上で「さらに燃えるような試合を組んでもらいたい」と大橋秀行会長に向けて宣言した井上。日本が生んだ最強戦士は、その大いなる野望を叶え、今度こそ「最高」の姿を世界に知らしめられるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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