格闘技・プロレス

カシメロが変わったのは“無知な弟”のせい?元プロモーターが語ったフィリピン戦士の素顔「どの選手よりも賢い」

THE DIGEST編集部

2021.12.17

リング内外での動向が注目されるカシメロ。彼の環境の変化がもたらした影響をギボンズ氏が語った。(C)Getty Images

 今から2か月前、ボクシングのWBO世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)は、自身のプロモート会社を『MP Promotions』から『Probellum』に変更した。本人の病欠によって中止となったものの、今月11日に開催予定となっていたポール・バトラー(英国)との指名試合を前にした大胆な決断だった。
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 Probellumに所属する同胞で、WBC世界バンタム級王者であるノニト・ドネアのサポートも受けたカシメロ。だが、ボクシング界で名を馳せる老舗プロモート会社からの移籍は、小さくない波紋を広げ、一部ではショーン・ギボンズCEOとの不仲も囁かれた。

 では、いったい何が起きていたのか――。他でもない当事者であるギボンズ氏が、フィリピンのポータルサイト『SPIN』の取材で、当時の舞台裏を告白している。

 さまざまな憶測を呼んだカシメロとの関係性について「大きな問題はなかったはずだ」と答えたギボンズ氏は、青天の霹靂とも言える決別について「悲しい状況ではあった。だが、それは我々ではなくカシメロ自身と彼の近くにいたアドバイザーたちが招いたことだ」と説明した。
 
 同メディアによれば、カシメロは、今年8月にロサンゼルスで開催されたギジェルモ・リゴンドー(キューバ)戦後に長年連れ添ったメンタルコーチのノイノイ・ネリを解雇。さらにコンディショニングトレーナーだったメモ・ヘレディアもクビにするなど、チームスタッフを一気に刷新し、ギボンズ氏との連絡も音信不通になったという。

 数多のボクサーを見定めてきた同氏は「カシメロはどの選手よりも賢い」と、その"素顔"を打ち明ける。そして「だから、もしも、ネリやメモと一緒にやれていたなら、驚くべき選手になっていたと思う」と指摘し、「我々との関係が修復する可能性はあると考えている」と主張した。

「我々は何も間違ってはいない。だから、彼が戻ってきたいというのであれば、大手を振って歓迎する。カシメロが変わったのは、彼の無知な弟であるジェイソンと、顧問であるスティーブン・ルナスから本当に悪質なアドバイスを受けたからだ。それを鵜呑みにしたんだと思う」

 今月11日に開催予定だったバトラーとの世界戦は、前日軽量で自身がウイルス性胃腸炎を患ったために"ドタキャン"していたカシメロ。WBA&IBF世界バンタム級統一王者である井上尚弥との対決も注目されるフィリピンの猛者は、はたしてここからどのような動きを見せるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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