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格闘技・プロレス

防衛戦緊急中止のカシメロに「キャリアを再起動すべき」の声! 実妹は「危険な状態だった」と“偽装入院”を否定

THE DIGEST編集部

2021.12.11

過去4度の防衛戦を戦い抜いてきたカシメロ。急転直下の試合中止はかなりの物議を醸している。(C)Getty Images

過去4度の防衛戦を戦い抜いてきたカシメロ。急転直下の試合中止はかなりの物議を醸している。(C)Getty Images

 青天の霹靂とも言える事態が起きた。現地時間12月10日、WBO世界バンタム級王者のジョンリエル・カシメロ(フィリピン)が、翌日にドバイで予定されていた同級1位のポール・バトラー(英国)との防衛戦に向けた前日計量を行なえず、試合中止が決定したのだ。

 11日にキャリア5度目防衛戦を予定していたカシメロだが、ウイルス性胃腸炎によって病院に搬送されたために前日軽量を欠席。世界ボクシング機構(WBO)は入院先の診断書と医療記録の提出を求めており、仮に同陣営が原因を明確に示さなかった場合には、正式に王座をはく奪されるという。

 WBA&IBF統一同級王者・井上尚弥(大橋)との統一戦に向けても、かなりの自信を見せてきたカシメロ。それだけに今回の防衛戦中止は小さくない波紋を広げている。フィリピンの一大放送局『ABS-CBN』は、「ウイルス性の胃腸炎に苛まれた彼は、徹底を余儀なくされた」と報道。さらに実妹であるシャーリン・カシメロは、自身のYouTubeチャンネルにおいて、次のように説明している。

「世間では色々なことを言われているけど、兄は正真正銘の病気。これは捏造なんかではないし、非常に危険な状態にあった。体重がかなり減ってしまって試合どころではなかった」

 シャーリンがそう説くように、一部では減量に失敗したカシメロがタイトル即はく奪を含めた問題を避けるために「偽装入院」をしたのではないかという意見も噴出している。ゆえに現地でもかなりの議論が飛び交っている。

 カシメロ陣営の決断が物議を醸すなかで、『ABS-CBN』のボクシングアナリストを務めるデニス・プリンシペ氏は、「カシメロが体重の減量に苦しんでいたのは事実だ」と持論を展開した。
 
「多くのひとびとは、彼が体重を減らせなかったために病気を装ったのではないかと疑いを持っている。たしかに彼が体重増減に苦しみ、長年問題を抱えていたのは事実だ。しかし、我々は公式の見解を待つべきだと思う」

 さらに「彼の問題が証明されれば、おそらく王座は保持できる」と分析し、カシメロのキャリア再興への道筋を見通した。

「私はカシメロにとってこれがチャンスだと思っている。彼はいまキャリアのピークにあり、今後も自分を見直せれば、チャンピオンとして戦い続けられるだろう。この体重の問題は解決しなきゃいけないことであり、これをキッカケになんらかの解決策を見出すべきだ。きちっとしたトレーナーや栄養士、プロモーター、マネージャーをつけ、すべてを修正して、キャリアを再起動すべきなんだ」

 再三にわたって「カメ野郎」と挑発してきた井上との統一戦も期待されてきたカシメロ。今回の防衛戦は、“モンスター”との大一番に向けた前哨戦とも目されていただけに、中止という決定が残念でならない。いずれにしても、当人のいち早い回復と王座を保持するためのWBOに対する証明が望まれるところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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