格闘技・プロレス

日本人ボクサーに対する“ルール無視試合”の責任審判が仰天釈明「カンフーvsボクシングと聞いていた。それしか知らない」

THE DIGEST編集部

2021.12.22

玄武の激しい攻撃を受け続けた木村。その試合内容は国際的な問題に発展している。(C)Getty Images

 前代未聞の闘いが波紋を広げ続けている。現地時間12月18日に中国・武漢で開催された「漢武伝説の翔武争覇」と銘打たれた一戦だ。
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 中国人格闘家でインフルエンサーでもある玄武が、元WBO(世界ボクシング機関)世界フライ級王者の木村翔を招いた試合は、序盤から異様な展開となった。両者ともに拳にグローブをはめ込んだボクシングルールで実施されていたはずだったのだが、いきなり玄武が容赦なく木村を突き飛ばしたのだ。

 その後も"ありえない攻撃"のオンパレード。玄武のあまりの傍若無人さに木村のセコンドは、必死に危険性を訴えるクレームを入れるも、レフェリーが注意を与える様子はなし……。そして2回途中だった。ふたたび倒された木村を抱きかかえ上げた玄武は、頭からキャンバスに叩きつけたのである。

 ここで、さすがに見かねたセコンドが木村を守ろうとリングに入って試合をストップさせる。重症にもなりかねない危険な行為であったが、あろうことかレフェリーは「木村が試合を放棄した」として、玄武に2回ノックアウト勝ちを言い渡したのだった。
 
 試合後に木村は自身のツイッターで「幸い怪我もなく、身体に異常はありません」と無事を報告した。だが、行き過ぎた玄武の暴走や試合結果には国内外から非難が殺到。香港メディア『HK01』は「茶番劇だ。中国のスポーツ界は信頼性を大きく損失した」と訴えた。

 この試合において気になるのは、レフェリーがなぜ玄武のルール無視を見逃していたのかという点だ。これについて、当日の審判役員を務めていた張旭氏は、中国格闘技専門メディア『格斗迷』の取材で、次のように釈明した。

「試合前から対戦方法が、『中国のカンフーvs日本のボクシングだ』としか聞かされていなかった。それも口頭によるものだ。それしか知らされていなかった」

 中国メディアでは「日本人を打ち破ることで国民を味方につけようと、散々煽ったが、結局は大きな苦しみを味わった」(ポータルサイト『捜狐』)とも非難されている玄武。本人をはじめ、危険な大会を実行させたコミッショナーも含めて猛省してもらいたいところだ。

構成●THE DIGEST編集部
 
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