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格闘技・プロレス

日本人ボクサーに“ルール無視の愚行”!中国人インフルエンサーに海外メディアも猛批判「中国は信頼性を損失した」

THE DIGEST編集部

2021.12.21

まるでカンフーのような攻撃を受けた木村。ボクシングルールであるはずの試合で起きた前代未聞の事態が物議を醸している(写真は2018年のもの)。(C)Getty Images

まるでカンフーのような攻撃を受けた木村。ボクシングルールであるはずの試合で起きた前代未聞の事態が物議を醸している(写真は2018年のもの)。(C)Getty Images

 驚きの“ルール無視”にも鳴りやまぬ歓声。思わず言葉を飲む異様な光景が広がった――。いま、国内外で物議を醸しているのが、現地時間12月18日に湖北省武漢市で「漢武伝説の翔武争覇」と銘打たれた一戦だ。

 元WBO(世界ボクシング機関)世界フライ級王者の木村翔が招かれて行なわれた試合は、対戦相手の中国人インフルエンサー、玄武の愚行だけがクローズアップされる展開となった。というのも、ボクシングルールで実施されたはずの試合で、投げる、蹴るなど、前代未聞の行動を見せたからである。

 極めつけは2回だ。体格で下回る木村を抱き上げた玄武は、頭から投げ落とすというMMA(総合格闘技)でも違反とされるスパイキングを見せたのだ。無論、木村陣営は相手のルール無視を指摘し、試合を止めるように求めたが、中国人審判は続行を判断。セコンドがやむを得ず止めに入った。

 最終的な結果は、木村が試合を放棄したとして、玄武の2回ノックアウト勝ち……。明らかにおかしいジャッジや、「『殺せ』という声も上がっていた」(中国スポーツ専門サイト『新浪体育』)という会場の雰囲気など、すべてが異様かつ危険極まりない試合には、海外メディアでも非難の声が止まらない。
 
 一連の愚行について「玄武は国民感情を煽ったが、明らかに国民の怒りを買った」と説いた『新浪体育』は、試合後に「幸い怪我もなく、身体に異常はありません。ただ世界中どんな国でも悪い人もいれば、いい人もいる。誠実な人もいれば、ずるい人もいる。この件で中国人を嫌いにならないで欲しい」とツイートした木村に対して、「日本のボクシング界のチャンプは大きな器を見せた」と賛辞を贈った。

 また、香港メディア『HK01』は、「中国ボクシング界の茶番劇だ」と糾弾し、「中国のスポーツ界は信頼性を大きく損失した」と批判した。

「木村翔との契約に興味を持った中国のプロボクサーチーム『M23』が、『ボクシングルールかつエキシビションマッチだった』と語っているように、試合はボクシングルールのはずだった。しかし、試合開始の30分前になって、玄武陣営が勝手に『中国カンフーvs日本人ボクサー』という独自ルールを定めたというのだ。もはや競技として正当性は疑わしいものばかりが浮かび上がっている。もしも、事故が発生した場合に、誰が責任を負っていたのだろうか」

 一歩誤れば、命の危険もあっただけに、木村が無事であったのは何よりだ。こうした事例は稀ではあるが、二度と起こさないようにするためにも、しっかりとした対策をとってもらいたいところである。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】あわや命の危機!中国人選手と木村翔のエキシビションマッチの危険シーン
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