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フィギュア

全日本フィギュア出場の宇野昌磨、4日前に右足首負傷も「言い訳にならないと思ったので言いました」

熊 介子(THE DIGEST編集部)

2021.12.22

前日練習に参加した宇野昌磨。「自分から逃げるような演技はしない」ときっぱり。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)

前日練習に参加した宇野昌磨。「自分から逃げるような演技はしない」ときっぱり。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)

 12月23日から、さいたまスーパーアリーナで全日本フィギュア選手権が開幕する。22日に同会場で前日練習が行なわれ、男子シングルの宇野昌磨が参加。練習後にオンライン会見に応じた。

 宇野は氷の感触を確かめるようにリンク入りすると、序盤はステップを中心に確認。その後、少しずつジャンプなどを飛び始め、曲かけでは4回転トゥループを着氷し、トリプルアクセルも耐えて降りた。度々リンクサイドのステファン・ランビエールコーチと話し合いながら、入念にジャンプや振り付けを指導される姿が印象的だった。

 そして会見では「この日までジャンプを飛んでいなかった」と明かし、報道陣を驚かせた。聞けば土曜日(18日)の練習中、4回転フリップを着氷する際に右足首をひねってしまったという。

「僕がジャンプ練習を満足に再開できたのが、この練習からだった。そこで自分が思った以上にできるというか、今日まで積み重ねてきたものというのが、ちゃんとそこにあったんだなと思いました。率直に安心した」

 宇野は「怪我というものを自分のなかで言い訳にしたくないという気持ちが大きかった。治らなかったら言わないつもりだった。それに今日の練習からして痛みがなかった。自分のなかで、これだけの痛みのなさなら、ケガと言っても言い訳にならないと思って言いました」と告白した理由も説明している。

【PHOTO】更なる成長を見せる宇野昌磨!気迫溢れる2021年を厳選ショットで特集!
「フリップの着氷で足をひねってしまって、たった2~3日間しか経っていなかった。長い月日に感じたけれど、(やれたのは)皆さんのサポートのおかげ。公式練習では、最初は『痛いんじゃないかな?』とおそるおそるやっていたけれど、途中からはいつも通りに、今日まで練習してきた自分が出せていた。怪我も自分の実力のうちだと考えているので、頑張りたい」

 そして、北京五輪の代表を選考する舞台であろうと、今シーズンを通して感じられた宇野の「自身の成長」にこだわり抜いた決意は揺るぎない。

「日本のレベルというのはすごく高くて、選考の条件を満たすために全選手がいろんな努力をしてきていると思う。全日本は最終選考の場であり、五輪に行く大切なステップだと思っている。もちろん全力でやる。ただ、ここでまとめにいくような試合はせず、どんな試合でも、自分が成長できる試合にしたいと思う。自分から逃げてしまうような演技はしないことを心掛けていきたい」
 
 男子のショートプログラム(SP)は24日、フリースケーティングは26日に行なわれる。今季のグランプリ(GP)シリーズのアメリカ大会で銀メダル、そしてNHK杯を制した宇野の飽くなき向上心は、大舞台で再び火を吹きそうだ。

取材・文●熊 介子(THE DIGEST編集部)

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