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フィギュア

宇野昌磨、シルバーコレクター脱却への決意。世界一に「なれたら嬉しい」という”甘さ”を捨てて

沢田聡子

2021.12.22

12月22日開幕の全日本選手権では2年ぶり5度目の優勝を狙う宇野。(C)Getty Images

12月22日開幕の全日本選手権では2年ぶり5度目の優勝を狙う宇野。(C)Getty Images

「葛藤は、正直まったくないです」

 11月に行なわれたNHK杯(東京)で優勝した宇野昌磨は、シルバーコレクターという見方をされることについて問われ、「“シルバーコレクター”と言われた時に、別にそんなに悪い気はしないです」と答えている。

「2位という順位、それがいかに難しいかというのは自分でも認知していた」と宇野は言う。宇野の銀メダルは2018年平昌五輪を筆頭に、世界選手権(2017・18年)、グランプリファイナル(2017・18年)と世界一を決める大会で獲得したものだ。たとえ“シルバーコレクター”と呼ばれたとしても、宇野の言う通りそれは誇るべき呼び名だといえる。

「ただ」と宇野は言葉を継いでいる。

「順位ではなく自分の立ち位置が、1位を争い続ける選手になったことはなくて。世界選手権とかファイナルで、どうしても“良くて2位”なんですよね。そこにいる自分に今まで満足していたところがやはりあったのかなと思うので、そこを一度でいいから破って、ちゃんとトップで争う選手になりたい。結果的にそれを『1位になりたい』というふうに受け取っていただいても全然構わないんですけれども、僕の気持ちとしては、順位が2位だからよくない、1位だから嬉しい、ではなくて、ちゃんと1位を争える立場に立ちたいという意味があります」
 
 宇野がそう思うようになった背景には、ステファン・ランビエールコーチの存在がある。一昨季、メインコーチをおかない選択をして不振に陥り、スケートを止めようとまで思ったという宇野を救ってくれたのは、ランビエールコーチだった。ランビエールコーチは「僕が世界一になれる実力を持つことができると信じてくれている」と宇野は言う。

「『僕はもっとできるんじゃないか』って。それに伴い偶然調子も上がっていたので、いろいろなことが重なり、今はやった分だけ成長できる、こんなに楽しいことはない。それを逃さないように『やれることをやりたい』と思って、今は生活すべてをスケートに向けてやっています」
 
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