格闘技・プロレス

「堂々としてろ!」――三浦孝太が格闘家デビュー後に語った偉大な父からの助言と本音「実力がないから仕方がない」

THE DIGEST編集部

2021.12.31

注目のオープニングマッチにもかかわらず、堂々たる白星を飾った三浦。華麗な締め技からの見事なフィニッシュワークは、観客を大いに沸かせた。(C)RIZIN FF

「想像以上に緊張してなくて、逆に怖かった。プレッシャーは正直なかった」

 12月31日にさいたまスーパーアリーナで行なわれた「RIZIN.33」で、元ホストのYUSHI(Potencial GYM)から勝利を飾った三浦孝太(BRAVE)は、そう漏らした。

 スター性を感じさせる決着だった。試合開始とともに殴りにかかってきたYUSHIの攻撃を巧みにいなした三浦はガッチリと相手を捕獲。「鍛えてきた」というギロチン、三角締めからの腕十字という華麗な寝技で締め上げ、攻勢を強めていく。

 そして最も鮮烈だったのは、フィニッシュだ。寝技からくぐり抜けたYUSHIに渾身のサッカーボールキックを炸裂。続けざまに右ストレートを当て込んでTKO勝利を飾ったのだ。

「サッカー元日本代表FW三浦知良の次男」
「あのキングカズの息子」

 リング外の話題が常に先行し、試合前から注目を集めていた一戦。周囲からのプレッシャーは半端ではなかったはずだ。しかし意外にも三浦は「緊張は特になかったですし、前日はぐっすり眠れましたね」という。そんな彼にとって支えとなったのは、父からの言葉だ。
 
 日本格闘技界の華と言える大晦日の檜舞台に立った若武者は、プロアスリートとして数多の修羅場をくぐり抜けてきた父から「試合が決まった以上は堂々としてろ」と助言されていたという。

 相手のYUSHIもプロデビュー戦。ゆえにこの1戦だけで三浦の全てを推し量るべきではないし、まだまだ粗削りな面は否めない。だが、豪快なフィニッシュワークや華麗な寝技の連続などの連動は、「キングカズの次男」ではなく「格闘家・三浦孝太」の存在を十二分に証明するものだったと言えるはずだ。

 そんな三浦は「1月は病院で過ごすのも覚悟していた」という自身のデビュー戦をこう振り返っている。

「全体的にまだまだ。自分自身、サッカーからやってきて、格闘技という競技を盛り上げたいという想いがある。この舞台に立たせてもらうというのは、勝つのはもちろんですけど、いかに盛り上げるかも考えないといけない。なので、いまは自分の名前が父親ありきで使われるのは実力がないから仕方がない。全然、望むところですね」

 鍛え上げてきた成果を、今大会のオープニングマッチで見事に発揮した三浦。今後については「実績で上り詰めきたわけじゃない。今とにかく練習して、コツコツやっていきたい」と語る。その目は、格闘家としての未来をきっちりと見据えていた。

構成●THE DIGEST編集部
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