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北京五輪のPCR検査で選手団12人が陽性。見えない敵との闘いに「4年間の成果が無駄になる悲劇」と嘆きの声も

THE DIGEST編集部

2022.02.01

女子ジャンプで金メダル候補のクラマーもコロナ陽性が出た一人だ。(C)Getty Images

 1月31日、北京五輪組織委員会は30日までのPCR検査で37人(選手団は12名)が新型コロナウイルスの陽性になったと発表した。2月4日の開幕に向けて着々と準備が進む一方で、スタート位置にも立てずに大会から去るアスリートがいる。

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 ROCフィギュアスケート男子シングルのミハイル・コリャダは、直前合宿前の検査でコロナに感染していたことが判明。平昌大会8位のリベンジを誓った彼だが、この結果を受け急遽、エフゲニー・セメネンコが代わりに出場することになった。

 他にもROC代表の感染が後を絶たない。スケルトン男子で平昌銀メダルのニキータ・トレグボフ、チームメイトのウラジスラフ・セメノフ、さらにはバイアスロン代表のヴァレリヤ・ヴァスネツォワも陽性反応を示しているという。

 トレグボフは「残念ながら、私のオリンピックの夢はただの夢のままになります。再び立ち上がり強さを見せられると思うけど、それは全く違うものになるだろう」と無念さを滲ませる。

 ノルディックスキージャンプ女子で金メダル有力候補と目されるオーストリアのエース、マリタ・クラマーも北京出発前最後のテストで引っ掛かった。現在は試合当日の朝に北京へ到着する最終便で行けるように調整している。
 
 選手だけでなく大会関係者も例外ではないとオーストラリアの『7NEWS』は報じる。1998年長野五輪から5大会連続アイスホッケーで出場し、現在はIOCアスリート委員会の委員長を務めるエンマ・テルホ氏(フィンランド)もまた空港でコロナの陽性を告げられた一人である。

 テルホ氏は、「私が思い描いていたスタートではないけど、北京五輪が実施する検査がうまく機能しているのを見れて嬉しい」と語るも、アスリートの意を汲み取りこう嘆いた。

「陽性反応がでるアスリートがたくさんいて、4年間の成果を最後の1週間ないしは数日で無駄にしてしまうのは怖い。悲劇でしかない」

 開幕前から見えない敵と闘うアスリートたち。まずは一人でも多くの選手が無事にスタート位置に立てることを祈りたい。

構成●THE DIGEST編集部

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