1月30日に北海道札幌市の大倉山ジャンプ競技場(ヒルサイズ137メートル)で行なわれたノルディックスキー・ジャンプの雪印メグミルク杯。6月に50歳を迎える葛西紀明が1回目138m、2回目137mの合計260.5点で見事優勝を果たした。葛西の優勝は2017年の全日本選手権ラージヒル(兼NHK杯)以来4季ぶりである。
葛西のパフォーマンスをスロベニアメディア『Zurnal24』は「息子でもおかしくないような年齢の挑戦者たちを打ち負かした」と驚きを隠さない。この大会の男子成人組で249.6点を獲得し2位になった竹花大松は20歳。248.7点で3位の宮崎敬太は21歳という若さである。この日は葛西の娘が6歳の誕生日を迎えたこともあり、成功の喜びはひとしおだったという。
葛西は平昌大会まで冬季五輪史上最長の8大会連続出場し、3つのメダルを獲得。1994年のリレハンメル五輪では団体で銀メダル、20年後のソチ五輪では個人銀メダル、さらに団体で銅メダルを手にしている。8年前のソチ五輪でメダルを獲得した時は41歳。スキージャンプの歴代最高齢メダリストとなった。
昨年の11月にフィンランド合宿を行なった葛西だが、合宿後の隔離による体重増加や首と足の故障により、12月に北海道名寄市で開催された名寄ピヤシリは17位、吉田杯は26位と不本意な成績に終わった。その後、調子を取り戻し、先月10日のHBC杯では4位に入り、ようやく表彰台が見えていた。
2月4日に開幕を迎える北京五輪の代表入りはならなかったが、テレビのコメンテーターとして現地入りする。葛西は2026年のミラノ・コルティナ大会、さらには札幌市が招致を目指している2030年大会を見据えて現役続行を明言しており、年齢をものともしないチャレンジ精神は健在だ。
北京五輪のスキージャンプ競技には、日本からは小林陵侑、高梨沙羅など9人が出場する。スキー界のレジェンドの強力なパワーが、選手を鼓舞してくれることだろう。選手たちの活躍に期待したい。
構成●THE DIGEST編集部
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構成●THE DIGEST編集部
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