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モータースポーツ

角田裕毅、2年目の飛躍に向けて「首の筋力強化」の重要性を説く。独専門サイトは信頼獲得のためには「まだやるべきことがある」と指摘

THE DIGEST編集部

2022.02.05

F1で2シーズン目を迎える角田。飛躍の年としたいところだ。(C)Getty Images

F1で2シーズン目を迎える角田。飛躍の年としたいところだ。(C)Getty Images

 F1キャリア2年目を迎えようとしている角田裕毅。昨季、彼はアップダウンに富んだ1年を過ごし、喜びや充実感同様、レース界最高峰の舞台で多くの苦しみを味わうことにもなった。

【動画】自己最高の4位フィニッシュを飾った角田裕毅のオンボードカメラ映像

 その原因としては、まずアルファタウリの代表フランツ・トストが強調しているように経験のなさが挙げられ、メカニカルな部分での未熟さ(車への理解度の低さ)だけでなく、ルーキーゆえの焦りや強い功名心が各セッションでの無理な仕掛けを彼に強いた結果、不必要なミスを繰り返し、それによって自信を喪失していくという悪循環に繋がってしまった。

 また、フィジカル面での不十分さも彼を苦しめたようで、とりわけ3週連続でレースが開催された際には、筋肉の疲労を訴えたこともあった。昨季の開幕前には、F1のGフォースの強さに備えて筋力強化に努めていると彼自身が語ったこともあったが、やはりそのダメージの大きさは想像以上だったようだ。

 そのこともあって、2年目を前に彼は「改善すべき点は理解している」として、今オフでは「首の筋力アップのトレーニングを特にしなければなりませんでした。ただ、それはこれまでもやってきたことなので、少しだけ増やしました」と明かしている(スペインの専門メディア『Formula Rapida』より)。ただ、気を付けているのはオーバートレーニングであり、「十分な休暇も必要であり、新シーズンに向けて充電を行なわなければなりません」とも語っている。
 
 このように準備に余念がない21歳の日本人ドライバーについて、ドイツのモータースポーツ専門メディア『MOTORSPORT MAGAZINE.COM』は昨季における評価と、2022年の展望を行なっており、前者では「F1でのステップは彼にとって非常に負担の大きなものであり、レースウィークの特殊性に長く適応することができず、数えきれないほどのミスを犯した。しかし、継続的に改善に取り組んだことで、終盤から最終戦に向けてはどんどん良くなっていった」と綴っている。

 また、同メディアはチームメイトとの成績の比較も行ない、飛躍を遂げたピエール・ガスリーとは、予選での勝敗は「1対21」、平均タイム差は「0.463秒」と大きく下回り、決勝レースでもチームの全獲得ポイント(142点)の内訳で23%(32点)に止まっている。前年にドライバーズランキング3位で終えたF2では、2歳上のチームメイト、ユアン・ダルバラに対して大差をつけ、内訳は74%(200点)に達しており、まさに2年間で真逆に立場になったことが分かる。まさに、最高峰レースの洗礼を浴びたということだろう。

 ゆえに、同メディアは「長い不振を経て、終盤戦からフォームはようやく正しい方向に向かったツノダだが、2022年は自らの力を証明する必要がある。レッドブル・ジュニアチームには他にも多くのF1候補生が存在する中で、彼にはまだやるべきことはある」と課題を提示している。

 昨年末、レッドブル、メルセデス、アルファロメオを除いた7チームのドライバーの投票による2021年のドライバーランキングが発表され、ルーキーではミック・シューマッハー(ハース)が唯一トップ10入り(10位)を果たした。車の性能差によって成績では大きな差が開いたにもかかわらず(ミックはポイントなし)、総合的なパフォーマンスでは「皇帝二世」に下回ると“同業者”からは判断される形となった角田としては、この評価を新レギュレーションが施行される今季、覆す必要がある。

構成●THE DIGEST編集部


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