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国際検査機関がワリエワの”ドーピング疑惑”に「禁止物質が検出」と公式声明。15日までに競技参加可否に結論か【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.11

ワリエワに対するドーピング問題を巡っては、情報は錯そうしている。(C)Getty Images

ワリエワに対するドーピング問題を巡っては、情報は錯そうしている。(C)Getty Images

 2月11日、国際独立検査機関(ITA)は、北京五輪に参加しているロシアオリンピック委員会(ROC)のフィギュアスケーターで、ドーピング疑惑が浮上しているカミラ・ワリエワに関する公式声明を発表した。

 同機関は「カミラ・ワリエワが未成年であり、世界アンチ・ドーピング規定に基づく保護対象者(16歳)であることを強調する。当事者は彼女の名前や彼女が関与している事件の公開を義務づけられることはなく、公開は事件の事実と状況に応じたものでなければならない」としたうえで、「一部のメディアが彼女に同様の保護を与えず、非公式な情報に基づいて報道したことを鑑み、公共の関心が高まっているため、公式な情報の発信の必要性を認めた」としている。

 文書によれば、2021年12月にロシアのサンクトペテルブルクで開催された国内選手権において、ロシアアンチ・ドーピング機構(RUSADA)の検査権限および結果管理権限のもと、ワリエワの検体が採取。その後、スウェーデンのストックホルムにある世界ドーピング防止機構(WADA)の検査機関から、このサンプルから非特定禁止物質トリメタジジンに関する有害分析所見が報告されたという。

 トリメタジジンはドーピング防止規定の禁止リストに基づくホルモンおよび代謝調整物質であるため、2月8日にワリエワは暫定的にRUSUDAから資格停止処分を受けた。同日は、本来であればフィギュアスケート競技団体戦のメダル授与式が行なわれる日と一致する。

 このため、ワリエワはオリンピックに適用される国際オリンピック委員会(IOC)のアンチ・ドーピング規則第15条とRUSADAの資格停止処分決定により、北京五輪を含むすべてのスポーツへの参加が禁止される状態となった。これについて、ITAを通してコーチを含むワリエワ陣営に通知され、法的手続きが水面下で開始されたようだ。
 
 だが、翌9日にワリエワ陣営が、RUSADAに対して暫定資格停止処分に異議を申し立てを行ない、審問が実施。そして9日中に暫定資格処分を解除し、北京五輪への参加が許可された。
 
 しかし、RUSADAの資格停止解除処分を不服とし、WADA、IOCはスポーツ仲裁裁判所(CAS)に訴えを申し入れるという。女子シングル個人戦は15日に行なわれるため、ITAはこの件について、IOCから依頼を受け、訴訟を担当することになったと発表している。

 また、あくまで北京五輪に参加する選手の最終決定権は国際スケート連盟(ISU)にあり、現在進められている手続きでは、暫定的な出場停止処分にのみ対処が可能であるとしている。ただ、声明の最後にITAは、「最終的な法的手続きが終了していないため、以後のコメントは控える」と宣言。今後の経緯はIOCからの公式声明で発表されるとした。

 同競技は2月15日にショートプログラム、17日にフリースケーティングが行なわれる。ロシア側の主張と国際機関の主張が食い違っている点が争点となりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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