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スキージャンプで2名失格のノルウェー監督が母国紙で激白!当日の検査室は「かなり緊張感が漂っていた」【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.12

失格処分を受けてからの2本目後にガクッと肩を落とした高梨。彼女をはじめとする多くの選手が涙した“スーツ問題”は、その余波を広げている。(C)Getty Images

失格処分を受けてからの2本目後にガクッと肩を落とした高梨。彼女をはじめとする多くの選手が涙した“スーツ問題”は、その余波を広げている。(C)Getty Images

 世界を騒然とさせた“スーツ規定問題”は、日を追うごとに新たな証言が出ている。

 発端となったのは、2月7日に行なわれた北京冬季オリンピックのスキージャンプ混合団体だ。日本の高梨沙羅ら4か国の5人の女子選手が「スーツの規定違反」という理由で失格となる異例の事態に発展した。

 なぜこうした事態が起きてしまったのか。最も問題視されているのは、国際スキー連盟(FIS)から派遣された、試合のマテリアルコントローラー(道具のチェック)の混乱だ。

 そもそも、マテリアルコントロールは、男子種目には男性、女子種目には女性が担当するのだが、今回の団体戦では、女子の測定に男子担当者であったミカ・ユッカラ氏が“介入”したと、ドイツ・メディア『Watson』など複数の欧州メディアが報じている。

 そうしたなかで、当時の検査中の様子について「いつもとは違ったと聞いている」と語ったのは、2選手が失格を言い渡されているノルウェー代表監督のブレーデ・ブレーデンだ。

 2001年からノルウェースキー連盟のジャンプ部門で普及活動に努めてきた重鎮は、母国紙『Dagbladet』で、「私は誰かを攻めるつもりはない。将来的にどうすればより良い形でコントロールをできるのかを考えたい」と前置きしたうえで、こう証言した。

「今回のキャビン(検査室)には、いつも1人だけなのに、3人も審査員がいた。それに通常は検査が行なわれる中は、穏やかで良いムードなんだけど、今回はかなり攻撃的で、いつもとは違う緊張感が漂っていたと聞いている。私たちの選手も、他国の選手関係者も、同じようなことを経験したそうだ」

 さらにブレーデン監督は、普段とは異なる検査方法に対して、「誰かから指示を受けたのか、それともプレッシャーがあったのか分からない」としながらも、「この状況はスキー界にとって明らかによくない。今、私が思うのは、今後どのようにこの問題が解決されるのかだ。今のままではいけない」と再発防止を訴えた。

 オリンピックという檜舞台で、多くの選手が涙した。この悲劇とも言える事態を再発させないためにも、スキージャンプ界は、原因究明に全力を尽くす必要がありそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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