日夜、激戦が繰り広げられる北京五輪。各国のトップアスリートが集う選手村で起きた“アクシデント”が物議を醸している。

　事の発端は、距離スキー女子スプリントに参戦中のフィンランド代表戦士カトリ・リリンペラのSNSでの訴えだ。現地時間２月12日にインスタグラムのストーリー動画を更新した彼女は、「ヘルプ（助けて）！」の文字とともに、選手村の天井のいたる部分から水が溢れだしている動画を公開した。

　床が水浸しになり、一時的な避難を余儀なくされるところまでを映した動画は、あっという間にSNSで拡散されて話題となった。しかし、通常24時間で自然に消えるストーリー動画が、わずか数十分のうちに削除されたのだ。

　いったい何があったのか。米スポーツ専門局『Fox Sports』によれば、リリンペラは別のストーリー投稿で、中国当局から動画削除依頼のメッセージを受けたとするスクリーンショットを公開していたという。
  　アクシデントを冗談交じりに伝えた何気ない投稿に対するシビアな“介入”。これには各国メディアも驚きを隠さない。韓国の日刊紙『韓国経済』は、「まるでスプリンクラーが破裂したかのように水が溢れだし、床は水浸しだ」と動画を描写したうえで、「失敗と揶揄されるのを恐れた中国当局が介入したようだ」と伝えている。

　さらに韓国の日刊紙『朝鮮日報』も「動画は奇妙にもすぐに削除された」と伝え、こう説いている。

「なぜ投稿が消えたのか、その後に選手村がどうなったのかなどは、リリンペラから明確な説明はない。しかし、中国当局が介入した可能性が高いと見られている。彼らは明らかな設備不足の露呈を恐れて、動画を削除させたようである」

　コロナ禍で開催されている今大会は、バブル方式が取られている選手村での問題が少なくない。それだけにリリンペラの動画削除は物議を醸している。

構成●THE DIGEST編集部

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