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涙で見守った韓国の“盟友”が小平奈緒を称賛。「人間性が素晴らしい。本当はつらいはずなのに」と称えたのは【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.14

平昌五輪では、互いに検討を称え合う姿が反響を呼んだイ・サンファ(左)と小平(右)。彼女たちの絆は今も健在だ。(C)Getty Images

 かつてのライバルの目に涙が光った。

 2月13日、北京五輪の女子スピードスケートの500mが行なわれ、日本勢では高木美帆が1500mに続いて銀メダルを獲得。一方で、4年前の平昌五輪で金メダルに手にしていた小平奈緒は、まさかの17位に終わった。

 スタートですべてが決した。レース後に「1歩目の左足が引っかかった」と振り返った小平は、終盤まで出遅れを挽回できず……。「前を追って歯を食いしばって最後まで滑るしかないという気持ちで滑った」が、38秒09とタイムを伸ばせなかった。

 連覇はおろか表彰台にも上がれなかった。しかし、"盟友"は失意の日本のエースを慮った。このレースを韓国の放送局『KBS』で解説を務め、小平を涙ながらに見つめた元韓国代表スケーターのイ・サンファだ。
 
 2010年のバンクーバー、2014年のソチと2大会連続で女子500メートルの金メダルを獲得した韓国スピードスケート界の女王は、レース後に母国のポータルサイト『MK Sports』など複数メディアの取材に応じ、「ナオなら王冠の重みに耐えられると思ったけど、精神的なプレッシャーが想像以上に重かったんだと思う」とコメント。そのうえで、レースへの持論を展開した。

「ナオのスタートの反応は私が見る限りでは決して悪くなかったと思う。ただ、途中で何かが途切れてしまって、上位に食い込むのは無理かなと感じていた。個人的に辛いものがあって、少しだけ泣いてしまった」

 そんなイ・サンファは、小平が競技後に金メダルを獲得したエリン・ジャクソン(アメリカ)に駆け寄って称えたシーンに着目。「やっぱり彼女は人間性がとても優れている。本当は誰よりも彼女がしんどいはずなのに、ライバルを称えることに目を向けられるなんて」と絶賛。そのうえで、17日に行なわれる1000メートルでのメダル獲得にエールを送った。

「私のなかで1度チャンピオンになった人は永遠にチャンピオンだと思っている。だから、ナオはチャンピオン。ただ、彼女にはまだ1000メートルが残されているから、最後まであきらめずに頑張ってほしい」

 競技後に「(1000メートルは)もう覚悟を持ってやり遂げるだけです」と言い切った小平。盟友からも熱視線を送られる日本のエースは、3日後に行なわれる大一番でメダルを手にできるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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