フィギュア

ドーピング陽性問題のワリエワがフィギュア女子シングル出場へ ! CASが処分解除を認めた理由は?【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.14

ドーピング疑惑が浮上した後も練習を重ねたワリエワ。彼女の北京五輪への継続参戦が決まった。 (C)Getty Images

 2月14日、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は、ドーピング違反が明らかになったROCのカミラ・ワリエワに対する裁定を発表。彼女に対する暫定資格停止処分解除撤回を求めていた国際オリンピック委員会(IOC)、世界反ドーピング機関(WADA)、国際スケート連盟(ISU)からの提訴を却下した。

 ワリエワは、21年12月25日に行なわれたロシア選手権後に採取された検体で、禁止薬物トリメタジジンが検出。その検査結果が今月8日に明らかにされ、RUSADAは暫定資格停止処分を通知した。しかし、ワリエワ陣営からの異議申し立てを受け、同機構の懲戒委員会は9日に暫定処分を解除を決めていた。

 今回の裁定の発表は文書で公開されており、提訴を却下した理由としてCASは、「競技者が世界ドーピング防止規定(WADC)における『被保護者』であること」「ロシア・アンチドーピング機構(RUSADA)の規則およびWADCにおいて、暫定的なドーピングに関する規定を定めていないこと」と列挙。加えて、「当該競技者の出場を阻止することは彼女に回復不能な損害を与えるだろう」といった理由を記している。
【PHOTO】北京五輪で輝け!冬のスポーツシーンを彩る「美女トップアスリート」たちを一挙紹介!
 また、北京五輪中での検査も陰性であるとし、CASは「2021 年 12 月に実施された競技者のアンチ・ドーピング検査の結果であり、この通知の遅れは彼女の責任ではない」と記し、北京五輪の継続的な出場を認める理由として、通知が遅れた点も重視したとしている。

 暫定の資格停止処分「解除」の継続が許可されたワリエワは、15日から開始する女子ショートプログラム(SP)およびフリースケーティング(FS)には参加が可能となる。ただ、今回の裁定はオリンピックへの出場可否のみで、団体戦の金メダルに対する「裁定」とは別ものとなると表記されている。そのため、この問題はまた別にCASに持ち込まれることとなり、今後の競技資格については国際スケート連盟(ISU)も含めて、不透明な状態といえそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

【北京五輪PHOTO】驚異の90.18点で衝撃的な五輪デビュー!ロシアが誇る逸材カミラ・ワリエワ!

【PHOTO】高難度ジャンプもお手のもの! ワリエワ、トゥルソワら北京冬季五輪を席巻しそうなロシア女子フィギュアスケーターを特集!