フィギュア

ワリエワ表彰台入りでも、セレモニー&メダル授与式なし。IOC&ISUが異例の措置を発表【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.15

女子シングル競技に出場するワリエワ。疑惑は完全に拭えた状態ではないままの参加となる。(C)Getty Images

 国際オリンピック委員会(IOC)は2月14日、翌日から競技がスタートするフィギュアスケート競技の女子シングルについて、ROCから参加予定のカミラ・ワリエワに対する異例の措置を発表した。

 渦中のワリエワは、21年12月25日に行なわれたロシア選手権後に採取された検体から、禁止薬物トリメタジジンが検出。その検査結果が今月8日に明らかにされ、RUSADAは暫定資格停止処分を通知した。しかし、ワリエワ陣営からの異議申し立てを受け、同機構の懲戒委員会は9日に暫定処分を解除を決めていた。

【PHOTO】北京五輪で輝け!冬のスポーツシーンを彩る「美女トップアスリート」たちを一挙紹介!

 この処置を不服とし、国際オリンピック委員会(IOC)、世界反ドーピング機関(WADA)、国際スケート連盟(ISU)はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴。しかし、
スポーツ仲裁裁判所(CAS)は14日、「競技者が世界ドーピング防止規定(WADC)における『被保護者』であること」「当該競技者の五輪出場を阻止することは彼女に回復不能な損害を与える」といった観点から資格解除の「継続」を認定した。
 
 これでワリエワは女子シングル競技に出場が可能な状態となったが、IOCとISUは「法の支配に従う必要があり、出場を認める必要がある」としつつ、「ドーピング陽性反応への疑いが晴れることを意味する裁定ではない」とし、今後の対応を発表した。

 まず、延期されている団体戦の金メダル授与式は、大会期間中は実施されない。同競技でROCは金メダルを獲得。日本チームも3位に入り、銅メダルを授与される予定だったが、この大会中にメダルをかける姿を見ることは不可能となった。

 そして、女子シングル競技においてワリエワが上位3位以内に入った場合、フラワーセレモニー(今回はマスコットセレモニー)およびメダル授与式は行なわれない。また、ワリエワがショートプログラム(SP)24位以内に入った場合は、公平性の観点から、25位の選手もフリースケーティング(FS)の出場を認めることをIOCがISUに要請する。

 加えてIOCはワリエワの件についてすべての解決が済んだ段階で、メダルセレモニーを開催することを検討するとしている。

 15日に行なわれる女子シングルで、ワリエワは第26番滑走で出場する。異例尽くしの開催となりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

【フィギュアPHOTO】日本の坂本花織、樋口新葉、河辺愛菜がワリエワ擁する最強ロシア勢に挑む! 北京五輪に参加するフィギュア女子シングル全30名を一挙紹介

【北京五輪PHOTO】驚異の90.18点で衝撃的な五輪デビュー!ロシアが誇る逸材カミラ・ワリエワ!

【PHOTO】高難度ジャンプもお手のもの! ワリエワ、トゥルソワら北京冬季五輪を席巻しそうなロシア女子フィギュアスケーターを特集!