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嬉しさと悔しさと――。4強進出を決めたカーリング日本の名手・藤澤五月が「後悔が凄く多い」と涙した理由【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.17

試合直後にもリンク上で涙した藤澤。チームの精神的支柱でもある彼女は、ひたすらに責任を感じていた。(C)Getty Images

試合直後にもリンク上で涙した藤澤。チームの精神的支柱でもある彼女は、ひたすらに責任を感じていた。(C)Getty Images

 悔しさと嬉しさ。ふたつの感情が入り混じった涙が流れた。

 2月17日、北京五輪のカーリング女子1次リーグ第9戦が国家水泳センターで行なわれ、日本代表のロコ・ソラーレは、世界チャンピオンのスイスに4-8で敗戦。しかし、同時刻に行なわれていた一戦で、韓国がスウェーデンに4-6で逆転負けを喫したために、土壇場で準決勝進出を決めた。

 試合後のフラッシュインタビューでセカンドの鈴木夕湖が「神様が与えてくれたチャンスだと思う」と語った通り、思わぬ展開だった。終始、手堅いプロセスを見せつけるスイスに敗れた日本は、他力でのベスト4入りを願うしかなかったのだ。しかし、韓国が第8エンドにスウェーデンに逆転を許し、そのまま逃げ切られて敗戦。この結果によって、ロコ・ソラーレに2大会連続のメダル奪取への挑戦権が舞い込んだ。

 全員が涙を流して喜んだ。そのなかで淡々と悔しさを滲ませたのは、スキップの藤澤五月だ。

 スイス戦ではアイスを読み切れずに珍しくミスショットが目立った。それをひたすらに嘆く名手は、「本当に私の責任ではある」と泣いた。
 
「本当に今日はみんなが私にチャンスを作ってくれたなかで、私が決めきれずに自分たちからつらい展開を作ってしまった。最後の最後まで自分たちのファイトを見せたかったんですけど、相手のいいショットに持ってかれた。最後は正直悔しい想いというか、もう…なんだろ、後悔が凄く多い試合になった」

 チームメイトたちに「感謝の気持ちでいっぱいです」と話しながらも、複雑な表情を浮かべた。その顔つきは準決勝進出決定の吉報を耳にしても変わらなかった。直後に行なわれたフラッシュインタビューでは、「スウェーデンのおかげ。本当に4年前と一緒」と涙ながらに苦笑いを浮かべたベテランは、こう前を向いた。

「成長してないなと思ったりもする。ですけど、自分たちの試合をしっかりとしたいです。もう泣いても笑っても2試合なので頑張ります」

 なんとか4強への切符を掴んだロコ・ソラーレ。4年前に達成できなかった決勝進出を目指す彼女たちは、2月18日にスイスとふたたび激突する。

構成●THE DIGEST編集部

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