北京五輪の大会序盤、大いに世間を賑わせたのがショートトラックにおける“疑惑の判定”だった。
まずは2月5日に行なわれた混合2000メートルリレーだ。準決勝2組目のレースに登場した中国は、わずかな差でハンガリーとアメリカに追い抜かれて3位でフィニッシュ。予選敗退と思われたが、ここで突如としてレースが中断され、ビデオ判定が下される。
数分間に及んだ協議の結果、アメリカとROC(ロシア・オリンピック委員会)が走行を妨害したとして失格処分となり、3位の中国が繰り上がって決勝に進出。タッチをしていなかったのではないかという疑念まで浮上したが、判定は覆らず、中国はそのまま決勝を制して金メダルを奪取した。
さらに翌日の男子1000メートルでは、準決勝で優勝候補だった韓国の2選手がレーン変更などの反則があったとされて失格処分に。この恩恵を受けて決勝に進んだ中国の2選手がワンツーフィニッシュを飾るのだが、こちらも1位で終えたハンガリーのシャオリンサンドル・リュウが違反行為を犯したと見なされてイエローカードとなり、転がり込んできた栄誉だった。
一貫して怒りを爆発させてきたのが韓国側で、ファンもメディアも不可解なジャッジを糾弾。中国メディアも辛辣に応戦して、両国間でのつばぜり合いが一気にエスカレートした。
ドタバタ続きだったショートトラック競技だが、3日目以降は物議を醸すような判定は生まれなかった。2月16日に全レースが終了したことを受け、韓国紙『中央日報』は「あの悪夢のような序盤戦から韓国は美しく生還した。結局、中国は疑惑判定によって金メダルをかすめ取っただけだ。あのあとは、まるで嘘だったかのように弱くなったじゃないか」と吐き捨て、次のように論じている。
「ショートトラックにおける最後の6レースで、韓国はふたつの金メダルと3つの銀メダルを獲得した。中国はどうか。最初の2日間でメダルラッシュ(金2個と銀1個)を決め込んでいたが、その後は女子3000メートルリレーで銅メダルを獲るのが精いっぱいで、決勝にさえ進めなかったレースがほとんどだ。それが真の実力なのである」
韓国とハンガリーは男子1000メートルの判定について強く抗議し、海外メディアを含めてバッシングの対象となった。同紙はその事実を踏まえて、「あれだけ大騒ぎになったのに、いまだなんら明確な回答を得ていない」と指摘。一方、世界規模で大問題に発展したおかげで、すぐさま正常な状態に戻ったと見てもいる。
お家芸とも言えるショートトラックで、絶望的な状況に立たされていた韓国。後半戦で存分に巻き返して安堵したぶん、ふたたび怒りが込み上げてきたのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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まずは2月5日に行なわれた混合2000メートルリレーだ。準決勝2組目のレースに登場した中国は、わずかな差でハンガリーとアメリカに追い抜かれて3位でフィニッシュ。予選敗退と思われたが、ここで突如としてレースが中断され、ビデオ判定が下される。
数分間に及んだ協議の結果、アメリカとROC(ロシア・オリンピック委員会)が走行を妨害したとして失格処分となり、3位の中国が繰り上がって決勝に進出。タッチをしていなかったのではないかという疑念まで浮上したが、判定は覆らず、中国はそのまま決勝を制して金メダルを奪取した。
さらに翌日の男子1000メートルでは、準決勝で優勝候補だった韓国の2選手がレーン変更などの反則があったとされて失格処分に。この恩恵を受けて決勝に進んだ中国の2選手がワンツーフィニッシュを飾るのだが、こちらも1位で終えたハンガリーのシャオリンサンドル・リュウが違反行為を犯したと見なされてイエローカードとなり、転がり込んできた栄誉だった。
一貫して怒りを爆発させてきたのが韓国側で、ファンもメディアも不可解なジャッジを糾弾。中国メディアも辛辣に応戦して、両国間でのつばぜり合いが一気にエスカレートした。
ドタバタ続きだったショートトラック競技だが、3日目以降は物議を醸すような判定は生まれなかった。2月16日に全レースが終了したことを受け、韓国紙『中央日報』は「あの悪夢のような序盤戦から韓国は美しく生還した。結局、中国は疑惑判定によって金メダルをかすめ取っただけだ。あのあとは、まるで嘘だったかのように弱くなったじゃないか」と吐き捨て、次のように論じている。
「ショートトラックにおける最後の6レースで、韓国はふたつの金メダルと3つの銀メダルを獲得した。中国はどうか。最初の2日間でメダルラッシュ(金2個と銀1個)を決め込んでいたが、その後は女子3000メートルリレーで銅メダルを獲るのが精いっぱいで、決勝にさえ進めなかったレースがほとんどだ。それが真の実力なのである」
韓国とハンガリーは男子1000メートルの判定について強く抗議し、海外メディアを含めてバッシングの対象となった。同紙はその事実を踏まえて、「あれだけ大騒ぎになったのに、いまだなんら明確な回答を得ていない」と指摘。一方、世界規模で大問題に発展したおかげで、すぐさま正常な状態に戻ったと見てもいる。
お家芸とも言えるショートトラックで、絶望的な状況に立たされていた韓国。後半戦で存分に巻き返して安堵したぶん、ふたたび怒りが込み上げてきたのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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