現地2月18日、北京五輪・女子フィギュアスケートのメダル授与式が行なわれ、優勝したアンナ・シェルバコワ(ROC=ロシア・オリンピック委員会)、2位のアレクサンドラ・トゥルソワ(ROC)、そして3位の坂本花織(日本)があらためて揃い踏みした。
やはりロシア・メディアの関心は、金メダルを獲ったシェルバコワではなく、渦中のトゥルソワに向かったようだ。17日のフリー演技終了後にコーチであるエテリ・トゥトベリーゼ氏の抱擁を拒絶し、涙ながらに「あなたはすべてを知っていた!」とまくし立て、「もう氷の上には戻らない」と競技引退を示唆するコメントも発していたからだ。
報道陣の前に現われた17歳は、「私は元気ですよ。ほら、笑っているでしょ?」と一瞬だけマスクを外して微笑を浮かべた。だが、記者が「メダルはどうしたの?」と問いかけると、「すぐに外したわ。それだけ。もうセレモニーは終わったから」と素っ気なく、「アンナ(シェルバコワ)がこのあと、みなさんにゆっくり見せてくれると思います」と答えた。
フリーでは5回の4回転ジャンプを成功させた。その点については「長い間ずっと準備をしてきて、オリンピックの舞台で決められるってことがどれだけ幸せなのかを実感しました。最後のジャンプを着氷したときは感無量でしたよ」としつつ、「ただオリンピックだからと言って特別な雰囲気は感じなかった。ジャンプにただ集中していましたから」と振り返る。
やがて記者たちが核心に迫る。しかしトゥトベリーゼ氏との押し問答に関して問われると、「その件にはいっさい話しません」と突っぱね、「いまの自分の感情はうまく表現できません。先々のことはいずれ話すことになりますが、いまはなにも分からない」と心境を明かした。
実のところ、17日のシングル競技終了後、トゥルソワが深夜までROCの宿舎に戻ってこないというハプニングが起きた。ドーピング検査が長引いた、気持ちが落ち着かずに会場に泊まり込んだ、最後はトゥトベリーゼ氏が迎えにいった、などさまざまな憶測が流れたという。
報道陣がそれらの疑問をぶつけると、トゥルソワは開口一番に「いいえ、エテリ・トゥトベリーゼは一緒にいませんでした」と語気を強め、次のように詳細を説明した。
「ドーピング検査を受けましたが、それはすぐに終わったんです。私が会場の外に出たのが0時41分で、宿舎へ行くバスは0時40分でした。その後、1時間くらい移動手段が見つからなくて、ひとりでバスを待っていたんだけど来なかった。ボランティアの方が協力してくれたけど中国語だったので、リンクまで戻ってネットに繋ぎ、翻訳機能を使ったんです。まもなく車が来たので、なんとかホテルへ戻ることができました」
なぜ、銀メダルを獲った殊勲者が独りぼっちで取り残されたのか。彼女のドーピング検査を待つROCのスタッフが誰もいなかったことは、驚きでしかない。
最後は「ロシアに戻って早く家族と愛犬に会いたい。そして家でたくさんおいしいものを食べたい。もうここの食事は飽きてしまったので」と話し、ふたたび笑顔を見せたトゥルソワ。はたして今後に向けて、どのようなキャリアプランを思い描いているのか。その動向と決断に注目が集まる。
構成●THE DIGEST編集部
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やはりロシア・メディアの関心は、金メダルを獲ったシェルバコワではなく、渦中のトゥルソワに向かったようだ。17日のフリー演技終了後にコーチであるエテリ・トゥトベリーゼ氏の抱擁を拒絶し、涙ながらに「あなたはすべてを知っていた!」とまくし立て、「もう氷の上には戻らない」と競技引退を示唆するコメントも発していたからだ。
報道陣の前に現われた17歳は、「私は元気ですよ。ほら、笑っているでしょ?」と一瞬だけマスクを外して微笑を浮かべた。だが、記者が「メダルはどうしたの?」と問いかけると、「すぐに外したわ。それだけ。もうセレモニーは終わったから」と素っ気なく、「アンナ(シェルバコワ)がこのあと、みなさんにゆっくり見せてくれると思います」と答えた。
フリーでは5回の4回転ジャンプを成功させた。その点については「長い間ずっと準備をしてきて、オリンピックの舞台で決められるってことがどれだけ幸せなのかを実感しました。最後のジャンプを着氷したときは感無量でしたよ」としつつ、「ただオリンピックだからと言って特別な雰囲気は感じなかった。ジャンプにただ集中していましたから」と振り返る。
やがて記者たちが核心に迫る。しかしトゥトベリーゼ氏との押し問答に関して問われると、「その件にはいっさい話しません」と突っぱね、「いまの自分の感情はうまく表現できません。先々のことはいずれ話すことになりますが、いまはなにも分からない」と心境を明かした。
実のところ、17日のシングル競技終了後、トゥルソワが深夜までROCの宿舎に戻ってこないというハプニングが起きた。ドーピング検査が長引いた、気持ちが落ち着かずに会場に泊まり込んだ、最後はトゥトベリーゼ氏が迎えにいった、などさまざまな憶測が流れたという。
報道陣がそれらの疑問をぶつけると、トゥルソワは開口一番に「いいえ、エテリ・トゥトベリーゼは一緒にいませんでした」と語気を強め、次のように詳細を説明した。
「ドーピング検査を受けましたが、それはすぐに終わったんです。私が会場の外に出たのが0時41分で、宿舎へ行くバスは0時40分でした。その後、1時間くらい移動手段が見つからなくて、ひとりでバスを待っていたんだけど来なかった。ボランティアの方が協力してくれたけど中国語だったので、リンクまで戻ってネットに繋ぎ、翻訳機能を使ったんです。まもなく車が来たので、なんとかホテルへ戻ることができました」
なぜ、銀メダルを獲った殊勲者が独りぼっちで取り残されたのか。彼女のドーピング検査を待つROCのスタッフが誰もいなかったことは、驚きでしかない。
最後は「ロシアに戻って早く家族と愛犬に会いたい。そして家でたくさんおいしいものを食べたい。もうここの食事は飽きてしまったので」と話し、ふたたび笑顔を見せたトゥルソワ。はたして今後に向けて、どのようなキャリアプランを思い描いているのか。その動向と決断に注目が集まる。
構成●THE DIGEST編集部
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