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ワリエワへの叱責が物議!ロシアの敏腕エテリコーチとは何者か。ザキトワが「献身的」と語る指導法とは?【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.19

ワリエワに声をかけるトゥトベリーゼ。彼女はいかにして一流指導者となったのか。(C)Getty Images

ワリエワに声をかけるトゥトベリーゼ。彼女はいかにして一流指導者となったのか。(C)Getty Images

 今月8日にドーピング違反が明るみになり、世界中の批判にさらされているカミラ・ワリエワ(ロシアオリンピック委員会=ROC)。彼女は17日に行なわれたフリースケーティングでミスを連発。およそ偉才と呼ぶには程遠い内容でリンクを降りた。

 むせび泣く15歳に鋭い睨みをきかせたのが、厳しい指導法で知られるコーチのエテリ・トゥトベリーゼだ。リンクから涙ながらに戻ってきたワリエワのそばに駆け寄るやいなや、容赦なく、「アクセルの後、戦うのを放棄したわね。なぜ諦めたの? 説明しなさい。なぜ?」と強い口調で問いただしたのだ。

 そんな47歳の敏腕コーチの振る舞いは、小さくない話題となった。国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長も名指しは避けつつも、「ワリエワを助けようという行動ではなく、非常に冷ややかな雰囲気を感じ取れた。こんなにも自分たちのアスリートに対して冷たい態度を取れるものなのか」と批判的に語ったほどである。

 では、彼女はいったい何者なのか。この興味深いテーマにロシア・メディア『Sport Expres』が切り込んでいる。
 

 1974年2月にモスクワで生まれたトゥトベリーゼは、4歳からフィギュアスケーターを志すも、早々にその夢は潰えた。同メディアによれば、頻繁に怪我を繰り返し、見せ場となるジャンプでイップスに近いような状態に陥ったためだったという。そして、早々にキャリアを断念した彼女は、ペレストロイカの影響もあって、18歳でアイスダンサーとしての成功を目指して渡米した。

 アメリカではアイスショーの団員として、ロサンゼルスやニューヨークなどを転々としながら6年間も活躍。その間には母国の名伯楽として知られるタチアナ・タラソワの指導も受けたという。

 その後、ロシアに帰国したトゥトベリーゼは、マラホフカの体育アカデミーで指導のノウハウを学び、現代美術研究所で振付の学位を取得。2000年から指導者としての道を本格的に歩むようになった。

 指導者としての立ち振る舞いは、先述のワリエワへの対応からも分かる通り、転身後から厳しかったという。時には非情とも言えるが、それは「プロフェッショナルな一流スケーターを育て上げたい」という理念に基づくものだった。
 
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