北京五輪を襲った“ワリエワ・ショック”は、大会閉幕後も尾を引きそうな気配だ。

　昨年12月に採取された検体から禁止薬物が検出。女子フィギュアスケートのROC（ロシア・オリンピック委員会）代表、カミラ・ワリエワは一躍時のひとなった。さまざまな情報が飛び交い、次から次へと新事実が発覚したこともあり、批判の矢面に立たされた15歳。結果、CAS（スポーツ仲裁裁判所）の裁定によって競技参加が認められ、ショートプログラムでは首位に立ったもののフリーではらしくないミスを連発し、４位で女子シングルを終えた。

　世界規模でのバッシングから一転、涙に暮れたワリエワに対する同情の声も高まるなか、韓国全国紙『朝鮮日報』が伝えたのが、元五輪女王であるキム・ヨナさんへの凄まじい“反撃”だ。

　2010年バンクーバー五輪で金メダル、14年ソチ五輪で銀メダルを獲得したレジェンドは、ショートプログラムを前にした２月14日に自身のインスタグラムを更新。ワリエワの個人名こそ出さなかったものの、黒塗りの画像とともに次のようなメッセージを発した。

「ドーピング違反をしたアスリートは、その競技に参加はできない。この原則は例外なく守られなければならない。すべての選手の努力と夢は、等しく尊いもの」

　明確な意見を述べた31歳の投稿に対して、韓国メディアも一様に驚きを隠せなかったが、女子シングルのフリー終了後はそのコメント欄に手厳しいコメントが殺到しているという。『朝鮮日報』紙は「ワリエワを支持するファンから、キム・ヨナに対して英語やロシア語で悪質な言葉が浴びせられている。ワリエワを名前を出していないにも関わらずだ」と説明したうえで、紹介できるレベルの書き込みを列記した。
 
「ソチで金メダルを獲れなかった自分を批判しろ！」
「自分の弱さとまずは向きあったらどうだ」
「15歳の少女を非難するなんて恥を知れ！」
「カミラは薬物なんてやっていないわよ」
「もし無実だったら、謝罪してもらうからな」
「カミラはオリンピックの政治の犠牲者なんだよ」

　こうしたリアクションに対して、キム・ヨナさんはいっさい反応していない。投稿自体は削除されておらず、コメント欄には２万1000件を超える声が寄せられている。

構成●THE DIGEST編集部

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