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「あなたはネイサンを倒せる?」米メディア記者の質問に、18歳・鍵山優真は何と答えたか【プレーバック北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.28

鍵山が見せた溌剌とした演技に、注目度はぐんぐんと上昇中。 (C)Getty Images

 北京五輪で話題となった出来事を『THE DIGEST』のヒット記事で振り返る当企画。今回は、団体戦、男子シングルとともに圧倒的な存在感を見せつけた鍵山優真をピックアップ。ライバルのネイサン・チェンについて質問された際の切り返しが見事だった。

記事初掲載:2022年2月9日

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 2月8日、北京五輪のフィギュアスケート競技、男子シングルの個人戦・ショートプログラム(SP)が行なわれた。

 日本からは羽生結弦、宇野昌磨、鍵山優真が出場。鍵山は日本勢ラスト、第5グループ3番手で登場し、団体戦フリーに続く好パフォーマンスを披露した。

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 SPは『When You're Smiling』。冒頭の4回転サルコーは出来栄え点(GOE)4・02点を獲得する美ジャンプに。続く4回転トゥループ+3回転トゥループもGOE3・94点を稼ぐと、最後のジャンプ要素となるトリプルアクセルもきれいに着氷し、3つのスピンはレベル4で揃えた。ステップシークエンスはレベル3と取りこぼしたが、SP108・12点という自己ベストを叩き出している。

 団体戦フリーでは208・44点をマークしており、10日に行なわれるフリースケーティング(FS)でも同様の演技をすることが可能ならば、総合で310点を超える計算となる。2021年の世界選手権では総合291・77点という記録で世界スコアランキングの4位に食い込んでいる18歳には、大舞台でのさらなる記録更新も期待される。
 
 男子SP上位3人が参加するプレスカンファレンスでは、初のオリンピックで勢いを増す鍵山と、SPで団体戦に続いて自己ベストを更新した宇野に対し、米国メディアの記者からは「あなた方はネイサン・チェンを打ち負かすことができるか? そのためには何が必要と考えているか」という質問が飛んだ。ちなみにこの質問の時点で、首位のチェンは会見場に現れていなかった。

 鍵山は少し困ったような表情を浮かべた後、「分からないです」と率直なコメントを残している。

「僕の目標としては、誰かに勝つことよりも、自分自身を超えることが一番なので。ベストな演技を尽くせば、それなりの点数と順位はついてくると思っています。今は1位になりたいとか、勝ちたいとか思っていなくて、自分自身に勝つことが一番だと考えています」

 また、この後に回答した宇野は「僕も全く同意見です」と同調。「例えばネイサン・チェン選手が完璧な演技をしたら、全選手が点数で及ぶことはかなり難しいことかなと思っている。僕もまだ実力が届いていない」と冷静に自己分析していた。

 注目の男子シングルFSは10日に行なわれる。鍵山、宇野、そして思わぬミスで8位と出遅れた羽生がどのような演技を見せるのか、日本のみならず、世界のフィギュアファンが注目している。

構成●THE DIGEST編集部

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