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ロシア体操界の重鎮が相次ぐ“追放制裁”に「失望」! 止まらぬ風潮に「我々がいなければ同じスポーツではない」と主張

THE DIGEST編集部

2022.03.06

ロシア体操界のレジェンドであるネモフ氏。彼はスポーツ界で止まらない母国への制裁に苦言を呈した。(C)Getty Images

ロシア体操界のレジェンドであるネモフ氏。彼はスポーツ界で止まらない母国への制裁に苦言を呈した。(C)Getty Images

 ロシアのウクライナ侵攻が深刻化し、その余波は当然のことながらスポーツ界にまで及んでいる。

 先月27日に空爆が本格化してからウクライナでの戦火は日増しに強まっている。その間にスポーツ界では、軍事攻撃を続けるロシアと、彼らを支援するベラルーシへの“制裁”が下されている。目下、北京にて開催中の北京パラリンピックでは、開会式の前日となった3月3日にIPC(国際パラリンピック委員会)が、急転直下で両国の出場停止を発表。小さくない物議を醸した。
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 ありとあらゆる競技で追放する動きは強まる一方だ。それはプーチン大統領が筆頭となって行なっている軍事作戦の被害拡大を思えば、しかるべき対応ではある。しかしながら、ロシア国内では国際舞台への道を閉ざされたアスリートたちから反発の声が上がっている。

 現地時間3月4日には、元ロシア体操男子のアレクセイ・ネモフ氏が異論を唱えた。

 ネモフ氏の実績は凄まじい。90年代中盤から2000年代前半にかけて活躍し、五輪ではアトランタとシドニーでの4つの金メダルを含む計12個のメダルを獲得。世界選手権でも5つの金メダルを手にした同氏は、その美しい体操から「史上最高の選手」と称された。
 

 そんな体操界の重鎮は、国際体操連盟も下したロシアの追放について、母国メディア『Sport Express』の取材に対し、「今回のような決定には失望している」と怒りを滲ませた。

「あらゆる制裁はアスリートには適用すべきではないと思っている。ロシアがいなければ、このスポーツはこれまでと同じものにはならないからだ。ロシアの体操選手と興味深い勝負をすることがなくなれば、競技そのものが、“別次元”のものなるのではないだろうか」

 長年、体操界をけん引してきた大国としての自負を示すように、そう主張したネモフ氏は、こうも言い残している。

「すべてが変化する可能性がある。だから、選手たちは辛抱強くトレーニングを続ける必要がある。すべてを失ったわけではないんだ。もしかしたら、選手のレベルが高い中国との国際大会があるかもしれない」

 国際的な締め付けは、強まり続けている。だが、親ロシアとされる中国だけに、ネモフ氏の言う通り、独自の大会が開かれる可能性も小さくはない。そうなったときに体操界はどう変わっていくのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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