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「ワリエワたちの方がおもしろい」ロシア・フィギュア界の重鎮が相次ぐ“追放”に反発「誰も本質を理解してない」

THE DIGEST編集部

2022.03.02

ワリエワ(左)、シェルバコワ(中央)、トゥルソワ(右)。いずれも現ロシア・フィギュア界を牽引する3人だが、それにOBも太鼓判を押している。(C)Getty Images

ワリエワ(左)、シェルバコワ(中央)、トゥルソワ(右)。いずれも現ロシア・フィギュア界を牽引する3人だが、それにOBも太鼓判を押している。(C)Getty Images

 今月24日から始まったウクライナ侵攻は世界に大きな影響を与えている。スポーツ界も無関係ではなく、あらゆる競技においてロシアを排除する動きが強まっている。

 IOC(国際オリンピック委員会)はロシアおよびベラルーシの選手、関係者を国際大会から除外するように各競技連盟に勧告。これに続くようにFIFA(国際サッカー連盟)とUEFA(欧州サッカー連盟)は、ロシア代表と同国クラブチームに対して、両機構の主催大会への出場を禁じた。

 また、ロシアが覇権を握ってきたフィギュアスケート界でも余波は広がっている。ISU(国際スケート連盟)は、ロシア、ベラルーシ選手と関係者を国際大会から除外すると決定した。

 日々続く侵攻に対する現状を受けてのIOCの方針に従い、毅然とした態度を示したISU。しかし、先に行なわれた北京五輪の女子シングルスでアンナ・シェルバコワとアレクサンドラ・トゥルソワがワンツーフィニッシュをしていただけに、ロシア国内では反発する声も上がっている。
 
 1994年のリレハンメル五輪で銀メダルを手にしたロシア・フィギュア界のレジェンドであるアレクサンドル・スーリン氏は、母国メディア『Championat』などの取材に対し、「大きな衝撃だ。この締め出しの動きは終わりが見えない」とコメント。国内スポーツに対する影響を語った。

「我々のスポーツ界にとっては悲惨な状況だと言える。サッカー、ホッケー、そしてフィギュアスケートが締め出されていると聞いたが、この動きは今後も続いていく。ハッキリ言って、終わりがない」

 そのうえで「誰も本質を理解しようとはしていない。決定を下している人間は、目の前にある厄介な物事を片付けようとしているだけだと理解すべきだ」と異論を唱えた58歳の重鎮は、次のように続けている。

「ロシアの選手たちは、自国の大会に出て、国内選手権を世界レベルに到達させるしかない。ただ、それでもトゥルソワ、ワリエワ、シェルバコワらの滑りは、世界のすべてのフィギュアスケーターたちより、見ていて面白いはずだ」

「政治とスポーツを混同すべきではない。だが、おそらく事態は悪化するばかりだろう」とも嘆いたズーリン。フィギュア界で小さくない影響力を持つレジェンドの言葉は、小さくない波紋を広げそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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