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ラグビー

「究極の選択を迫られている」ワールドラグビーの“謝罪&罰金勧告”にスコットランド協会は徹底抗戦の構え

THE DIGEST編集部

2019.11.11

日本のファンの心に深く刻まれたスコットランド戦。その2日前に起きた騒動はいまだに尾を引いている。(C)Getty Images

日本のファンの心に深く刻まれたスコットランド戦。その2日前に起きた騒動はいまだに尾を引いている。(C)Getty Images

 事態は、泥沼化の様相を呈している。

 11月7日、ラグビーを統括する国際団体「ワールドラグビー」の独立紛争委員会は、スコットランド・ラグビー協会に対してけん責処分を言い渡した。先のラグビーワールドカップ、日本対スコットランド戦を前にした問題発言に対する処分で、謝罪文の提出と罰金7万ポンド(約945万円)の支払いを命じたのだ。

 超大型の台風19号が日本列島に迫るなか、ワールドラグビーは2日後に横浜で開催予定の同カードが中止になる可能性を示唆した。ところがこの声明に異を唱えたのが、スコットランド協会の最高経営責任者(CEO)であるマーク・ドッドソン氏。中止となれば試合は引き分け扱いとなり、スコットランド代表のプール戦敗退が決まってしまう。ドッドソン氏は英メディアに対して、「我々は台風の“巻き添え”となることを良しとしない。世界中のラグビーファンが融通の利かないワールドラグビーに失望している」とのコメントを発し、中止なら「法的手段も辞さない」と豪語した。

 結果的に試合は関係者の尽力によって開催にこぎつけ、スコットランドは21対28で日本に敗北、決勝トーナメント進出は果たせなかった。

 
 今回のワールドラグビーによる裁定を受けて、スコットランド協会は公式ツイッターに「ワールドラグビーからの連絡を今朝受けた。結果についてよく吟味し、調停の可能性を含めて熟考する」とだけ記し、その後は沈黙を守ってきた。

 ようやくひとつのアクションがなされたのは、現地11月9日のお昼だ。スコットランドの地元紙『The Herald』によると、ドッドソンCEOは協会に属するすべてのクラブメンバー宛に文書を送付。あらためて協会とみずからのスタンスを明確にしたという。書き綴られた内容を要約するとこうだ。

「ワールドラグビーの悩ましい仕打ちに対して、スコットランド協会としていかなる振る舞いがベストなのかを考えて行動する。正当性は我々にあると信じており、尊厳は守られなければならない。あの時点で我々が取るべき手段は妥当であったと考えるし、日本の人びと、日本を訪れている人びとのことを案じ、そして、日本対スコットランド戦が安全に開催されることを念じていた。今後はスポーツ裁定裁判所(CAS)に調停を申し出ることを含めて、協議していきたい」

 ワールドラグビーの要請には応じられない、と意思表示したのである。
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