北京五輪期間中にドーピング陽性反応を示したフィギュアスケート女子シングルのカミラ・ワリエワ(ROC=ロシアオリンピック委員会)。スポーツ仲裁裁判所(CAS)の聴聞会で、彼女は心臓に疾患のある祖父が使ったグラスを共有したため、薬の残留物を誤って摂取したと説明した。
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渦中の身でありながら、15歳という「要保護者」の年齢が考慮され大舞台への出場が叶うも、世界中から猛バッシングを食らった。そして、ショートプログラム(SP)でこそ首位発進を切った天才少女だが、批判の嵐に心を取り乱したようでフリースケーティング(FS)はミスを繰り返し、4位でメダルを逃したのだ。
同騒動を自分のことのように見守った一人が、陸上110メートル障害でロシアのスターであるセルゲイ・シュベンコフだ。彼は息子が治療に使用する薬の残留物を意図せずに摂取したことで禁止薬物が検出され、のちに潔白と証明された経験を持つ。
そんなハードラーは「本当に類似したケースですね」と地元国営通信社『RIA Novosti』のインタビューで同情を示し、「大事な時に限って“左翼のインチキ”が行なわれた」と悲鳴を上げた。ドーピング疑惑をかけられた経験者は、「何も知らない状態で潔白であることを証明しなければならなかっただろう」と哀れみ、こう続けた。
「彼女は滅茶苦茶にされてしまったのが残念です。奇跡は起こらなかった。あの状況で彼女自身がメダルを獲っていたら奇跡としか言いようがない。私は皮肉屋かもしれないが、奇跡は起こるかもしれないけど、普通は起きないよね」
今季シニア参戦するやいなや圧倒的パフォーマンスを披露し、世界最高点を叩き出してきた15歳。果たして潔白は証明されるだろうか…。調査は8月8日までに完了する見込みだ。
構成●THE DIGEST編集部
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