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「歌詞に頼らずともプログラムを歌わせる」米メディア記者がSP首位・宇野昌磨の演技を大絶賛!「隙のない美しさ」

THE DIGEST編集部

2022.03.25

世界フィギュア男子SPで首位に立った宇野。写真:JMPA代表撮影

 現地時間3月24日、フランス・モンペリエで行なわれているフィギュアスケートの世界選手権で、男子ショートプログラムの最終グループ4番目に登場した北京五輪銅メダルの宇野昌磨は、「オーボエ協奏曲」に合わせたプログラムで、自己ベストを更新する109.63点でトップに立った。この得点は2月の北京五輪で優勝したアメリカのネイサン・チェンに次ぐ今季世界第2位の高得点となる。

 宇野は冒頭の4回転フリップを完璧に着氷し、続く4回転トーループ、3回転トーループのコンビネーションジャンプも決め、3回転アクセルも成功。流れるような滑りで、スピン3つ、ステップも最高のレベル4とで決めた。技術点、演技構成点、ともに過去最高点を獲得し、「スケーティングスキル」「つなぎ」「パフォーマンス」「構成」「音楽の解釈」の5つの要素で構成される演技構成点はすべて9点台(10点満点)をマークした。演技を終えた宇野は「練習通りの演技ができたことが嬉しいです」と跳びはねるように喜びを表現した。
 
 この宇野の見事な演技に対し、米メディア『NBC Sports』の記者は「歌詞に頼らずともプログラムを歌わせることができるウノの演技は、隙のない美しさだと評価できます。オリンピックで2度のメダルを獲得しているウノは、オーボエに語りかけさせ、スケートと身体によるフレージングで音楽を解釈する冷静さを自分に許したのです」と大絶賛している。

 この大会において、偉業を成し遂げたのは宇野だけではない。宇野と一緒に日本から出場した北京五輪銀メダルの鍵山優真は105.69で2位。後半の3回転半がわずかに乱れたものの、最初の4回転サルコーはGOE(出来栄え点)4・57点を引き出す美しさで、続けて4回転、3回転の連続ジャンプも成功した。

 羽生結弦、三浦佳生が欠場となり、代役で出場した友野一希は4回転サルコー、トーループを成功させ自己ベストの101.12点で3位となり、世界歴代6位の高得点を叩き出した。

 日本勢がトップ3を独占したショートプログラム。26日に迎えるフリースケーティングではボレロで演技を行なう宇野は世界選手権で2度銀メダルを獲得しているが、表彰台の頂点に立ったことはない。

 宇野は金メダルを取れるのか、そして日本勢は表彰台を独占できるのか、注目のフリースケーティングとなりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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