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格闘技・プロレス

「俺を過小評価していた」WBO王者となったバトラー、“失墜”のカシメロ、そして井上尚弥戦に持論!「興味深い」

THE DIGEST編集部

2022.05.05

自らの振る舞いによって、王座から降ろされたカシメロ(左)。そんなフィリピンの猛者にかわって新たにベルトを手にしたのが、バトラー(右)だ。(C)Getty Images

自らの振る舞いによって、王座から降ろされたカシメロ(左)。そんなフィリピンの猛者にかわって新たにベルトを手にしたのが、バトラー(右)だ。(C)Getty Images

 多士済々のボクシングのバンタム級が物議を醸している。現地時間5月3日、WBO(世界ボクシング機構)は、世界バンタム級王者のジョン・リエル・カシメロ(フィリピン)から王座を剥奪すると発表したのだ。
【動画】防衛戦へ準備は万端だった!? 問題となったカシメロのサウナ使用シーン

 まさに身から出た錆と言える事態だ。なにせ事の発端がカシメロ陣営にあったからだ。

 カシメロは、昨年12月にUAEでポール・バトラー(英国)と指名試合で対戦予定だったが、胃腸炎を理由に前日計量に姿を見せずに“ドタキャン”。さらに先月22日には、リバプールでバトラーとの防衛戦が組まれたが、こちらは、戦前に英ボクシング管理委員会(BBBoC)が固く禁じている減量目的でのサウナ使用が判明。大一番の中止が土壇場で決したのだ。

 度重なる防衛戦のキャンセルを重く見たWBO執行委員会は、全会一致でカシメロの王座剥奪を決定。2度のタイトル奪取の機会をふいにされながらも、21日に実施された同級4位ジョナス・スルタン(フィリピン)との暫定王座戦を制していたバトラーを正規王者として昇格させる決定も同時に下した。

 無論、ボクシング界を揺るがした決定は、世界で小さくない話題となった。そんなカシメロの処分について、代わりに王座についたバトラーが口を開いた。自身が所属するプロモート会社『Probellum』のインタビューに応じた33歳は、「早朝に知らせを聞き、最高の気分だ」と自らの胸の内を赤裸々に明かした。

「俺はこないだのスルタン戦で、キャリア最高と言えるパフォーマンスを見せられた。あれを見て、カシメロも俺を過小評価していたとハッとさせられたに違いない。たとえ、彼が試合を放棄していなかったとしても、結果は変わらなかったと思う。俺は本当にキャリア最大級とも言える試合のために、人生を懸けて準備を重ねてきたからね」

 さらに「そして、いま、俺はWBOのベルトを巻いた。さらに大きな試合をする準備も出来ている」と強調したバトラーは、日本が世界に誇る“モンスター”ことWBA・IBF世界王者である井上尚弥の名を口にした。

「この階級はボクシング界でも最高レベルにある。そのなかでビッグマッチに挑む気持ちはある。まずは、ナオヤ・イノウエとノニト・ドネアの大一番の結果を興味深く見守りたいね」

 もっとも、カシメロは王座を失いながらもWBO同級1位となっており、バトラーはあらためて指名試合を組まれる可能性もある。それだけにこの先もしばらくは、井上も絡むベルト戦線は混沌としていきそうな気配は漂っている。

構成●THE DIGEST編集部

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