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【NHKマイルカップ】4番人気のダノンスコーピオンが制し、1、2番人気が馬券圏外に。3着に最低人気が飛び込む波乱の要因はどこにあった?

三好達彦

2022.05.10

3歳マイル王となったダノンスコーピオン。G1初制覇となった。写真:産経新聞社

 5月8日、東京競馬場で第27回NHKマイルカップ(G1、芝・1600m)が行われ、中団から伸びた単勝4番人気のダノンスコーピオン(牡3歳/栗東・安田隆行厩舎)が優勝。2着には後方から追い込んだ3番人気のマテンロウオリオン(牡3歳/栗東・昆貢厩舎)が入ったが、3着には、1番人気のセリフォス(牡3着/栗東・中内田充正厩舎)を抑え、最低18番人気(単勝オッズ229.1倍)のカワキタレブリー(牡3歳/栗東・杉山佳明厩舎)が入ったため、3連単は153万2370円という大波乱となった。
 
 昨年の朝日杯フューチュリティステークス(G1、阪神・芝1600m)で僅差の3着に食い込んだ実績を持つマイラーの血が、5月の府中で開花した。

 レースはスタートからダッシュをきかせたトーシンマカオ(牡3歳/栗東・高柳瑞樹厩舎)を先頭に、オタルエバー(牡3歳/栗東・中竹和也厩舎)とキングエルメス(牡3歳/栗東・矢作芳人厩舎)が積極的に飛ばす速い流れ。セリフォスは先行集団の後ろを追走すると、大外の18番枠から出たダノンスコーピオンや2番人気のインダストリア(牡3歳/美浦・宮田敬介厩舎)もそれに続く好位置につけた。

 1000mの通過ラップは57秒4と、時計が出にくいコンディションにあってはかなりのハイペースで進み、馬群は淀みない流れで直線へ向いた。

 すると、速いラップを刻んだ先行勢が苦しくなった坂下から、中団より後ろを進んだ有力馬たちが内外に大きく広がってスパートを開始。ここからは末脚勝負となる。

 内ラチ沿いを突いたセリフォスが先頭を窺うが、馬場の中央を伸びたダノンスコーピオンがそれを力強く交わして先頭へ。そこへ外から猛追したマテンロウオリオンとカワキタレブリーが猛追し、最後は激しい追い比べとなったが、川田将雅騎手の叱咤に応えたダノンスコーピオンが力強いフットワークで後続を抑えてトップでゴールを駆け抜けた。

 セリフォスは坂を上がってから脚色が鈍って4着にとどまり、2番人気に推されたインダストリアも末脚のキレが見られず5着に終わった。
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