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格闘技・プロレス

「イノウエに何の得もない」問題行動を繰り返すカシメロに母国で冷ややか指摘。井上尚弥戦は望み薄?「自分でぶち壊した」

THE DIGEST編集部

2022.06.19

王座を失ってなお、井上に対して問題発言を繰り返しているカシメロ。だが、そんな元チャンプに国内メディアでも批判が渦巻いている。(C)Getty Images、(C)AP/AFLO

王座を失ってなお、井上に対して問題発言を繰り返しているカシメロ。だが、そんな元チャンプに国内メディアでも批判が渦巻いている。(C)Getty Images、(C)AP/AFLO

 井上尚弥(大橋)に対する評価は天井知らずで上がり続けている。

 今月7日に行なわれた前WBCバンタム級王者ノニト・ドネア(39=フィリピン)との3団体統一戦で、2回1分24秒という圧巻のTKO勝ちを収めた“モンスター”。直後には、米老舗ボクシング誌『The Ring』のパウンド・フォーパウンド(PFP)で日本人史上初の1位に選ばれるなど、その声価は日増しに強まっている。

 元世界ヘビー級統一王者のマイク・タイソンをして「本当に凶暴な怪物」と言わしめる井上。プロキャリア戦績23戦無敗(20KO)と敵なしの強さを誇る“偉才”に対して、並々ならぬ闘志をむき出しにし続けているのが、元WBOバンタム級王者のジョンリエル・カシメロ(フィリピン)だ。

 彼が井上をライバル視し続けてきたのは、もはや周知の通りだ。先述のドネア戦後には「イノウエに勝てるのは俺だけだ」と大胆にも宣言。どれだけ突き放されようとも構わずにアピールを続けている。

 とはいえ、今のカシメロに井上への“挑戦権”はない。昨年12月と今年4月にポール・バトラーと王座戦を行なう予定だったが、いずれもドタキャン。とりわけ2度目は会場となる英国内で禁止されているサウナによる減量を行なったためという自らの失態が原因というお粗末さだった。

 WBOから正規王座の資格を剥奪され、タイトル戦線から離脱してしまったカシメロ。現時点では、どれだけ井上への対戦を要求しても叶わぬ夢なのである。
 
 ゆえに国内でもカシメロに対する視線は冷ややかだ。フィリピン日刊紙『Manila Times』は、「イノウエはカシメロの“餌(挑発)”を手にするか」と銘打った記事を掲載。そのなかで「カシメロはイノウエを失礼にも挑発し続けているが、以前とは大きな違いがある。それは、彼がもうタイトルを手にしていないことだ」と指摘し、辛辣に続けている。

「カシメロは挑発的な言動を繰り返し続けているが、今のところイノウエ陣営はいっさいの興味を示していない。それは当然である。カシメロがベルトを保持していない以上、その対戦はイノウエにとって何の得にもならないからだ」

 さらに「無敵の日本人が切望しているのはバトラーだ」と、カシメロにとって代わってWBO王者となった英国人戦士の名を挙げた同紙は、「イノウエは自らを議論の余地のない存在とするパズルを完成させようとしている」と指摘。そして「カシメロは自分自身でキャリアをぶち壊した」と続け、元世界チャンプの現状を批判した。

「カシメロはバトラーを倒せる有力候補であり、問題がなければWBOのタイトルを保持し続け、イノウエとの対戦は実現していた。だが、いまや彼にできるのはバトラーとの再戦を懇願することのみである。仮にカシメロがWBOの承認を得て、バトラーと再戦したとしても、イノウエはバンタム級にいない可能性が高い。多くの目標を持つ彼は、年内にバンタム統一戦を希望しており、カシメロvsバトラーの結果を待つつもりはないだろう」

 もはや国内メディアでも愛想を尽かされているカシメロ。実力は世界でも指折りだっただけに、度重なる素行不良が惜しいと言わざるを得ない。

構成●THE DIGEST編集部

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