文字通りの熱闘から一夜が明けた6月20日、RISE王者の那須川天心が、勝者として登壇した会見の場で、K-1王者の武尊への想いを語る場面があった。
熱狂的な一日だった。RISEとK-1の対抗戦という位置づけで開催された『THE MATCH 2022』は、会場となった東京ドームに5万6399人の観客を動員したほか、『ABEMA』にてネット配信されたPPVは50万人が購入するなど、記録的な大盛況となった。
那須川vs武尊はそのメガイベントの大トリ。両団体のエースとしてマッチアップを長年望まれながらも、さまざまな問題が重なり、7年も実現できずにきた背景もあって、期待度は戦前から高まっていた。ゆえに両雄のもとへは心無いメッセージがSNSなどを介して連日のように届けられた。
誹謗中傷が過激な内容だったのは想像に難くない。それは、この対決の発端となった発言(2015年のBLADE FC JAPAN CUP 55kgトーナメント優勝後に武尊を指名した)をした当時17歳だった那須川にとって、容易に受け流せるものではなかったはずだ。
その当事者だからこそ、状況を改善するための想いは強い。判定勝ち(5-0)を収めた武尊戦から一夜が明けた会見場で那須川は「武尊選手も覚悟を決めて試合に臨んでくれたし、僕も覚悟を決めて臨んだ。今、SNSが凄く発達していますけど、試合に対しての誹謗中傷は傷つく人もいるので、本当にやめてもらいたいと思う」とキッパリと言った。
「本当に2人ともプレッシャーも半端なかったと思う。表に立つ以上、そういうことを言われる覚悟はあるのは当たり前なんですけど、それ以上に感じるものってあるんです。俺も立場が似ているから分かるんですが、1人になってそういうことを考える時間があると嫌なマインドになることもあるんで。だから、そういうことはさせないようにしてほしいなと思います」
SNS隆盛時代に生きるアスリートは、多くの人々の羨望の的となる。そのなかで活躍を続ける複雑な心境を打ち明けた那須川は、"同士"たちを想いも汲み取り、勇気をもって発言した。彼の願いが多くの人に届くと願いたい。
取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)
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熱狂的な一日だった。RISEとK-1の対抗戦という位置づけで開催された『THE MATCH 2022』は、会場となった東京ドームに5万6399人の観客を動員したほか、『ABEMA』にてネット配信されたPPVは50万人が購入するなど、記録的な大盛況となった。
那須川vs武尊はそのメガイベントの大トリ。両団体のエースとしてマッチアップを長年望まれながらも、さまざまな問題が重なり、7年も実現できずにきた背景もあって、期待度は戦前から高まっていた。ゆえに両雄のもとへは心無いメッセージがSNSなどを介して連日のように届けられた。
誹謗中傷が過激な内容だったのは想像に難くない。それは、この対決の発端となった発言(2015年のBLADE FC JAPAN CUP 55kgトーナメント優勝後に武尊を指名した)をした当時17歳だった那須川にとって、容易に受け流せるものではなかったはずだ。
その当事者だからこそ、状況を改善するための想いは強い。判定勝ち(5-0)を収めた武尊戦から一夜が明けた会見場で那須川は「武尊選手も覚悟を決めて試合に臨んでくれたし、僕も覚悟を決めて臨んだ。今、SNSが凄く発達していますけど、試合に対しての誹謗中傷は傷つく人もいるので、本当にやめてもらいたいと思う」とキッパリと言った。
「本当に2人ともプレッシャーも半端なかったと思う。表に立つ以上、そういうことを言われる覚悟はあるのは当たり前なんですけど、それ以上に感じるものってあるんです。俺も立場が似ているから分かるんですが、1人になってそういうことを考える時間があると嫌なマインドになることもあるんで。だから、そういうことはさせないようにしてほしいなと思います」
SNS隆盛時代に生きるアスリートは、多くの人々の羨望の的となる。そのなかで活躍を続ける複雑な心境を打ち明けた那須川は、"同士"たちを想いも汲み取り、勇気をもって発言した。彼の願いが多くの人に届くと願いたい。
取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)
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