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格闘技・プロレス

「生半可な気持ちで行くわけじゃない」那須川天心が語った“世紀の一戦”とボクシング転向への想い「一睡もできなかった」

THE DIGEST編集部

2022.06.20

緑のシックなスーツに身を包んで登壇した那須川。その表情は常にリラックスしたものだった。(C)THE DIGEST

緑のシックなスーツに身を包んで登壇した那須川。その表情は常にリラックスしたものだった。(C)THE DIGEST

 死闘から一夜が経ち、“神童”があらためて心境を打ち明けた。

 6月19日に東京ドームで行なわれた『THE MATCH 2022』のメインマッチで、K-1 WORLD GPスーパーフェザー級王者の武尊(K-1 GYM SAGAMI ONO KREST)を判定の末に5-0のフルマークで倒した那須川天心(TARGET/Cygames)。直接対決に執念を燃やし続けたライバルとの大注目の一戦は熱狂のなかで終結したが、その中心にいたのは23歳の若武者だった。

 試合は完勝だった。「刹那のこと」と振り返った渾身の左フックでダウンを奪うなど、武尊に主導権を握らせず。K-1のカリスマに図抜けたポテンシャルを見せつけた。そんな那須川は、この日の会見には深緑のスーツに身を包んで登壇。笑顔を浮かべながら「こういう東京ドームという大舞台で、武尊選手のような素晴らしい選手とやれたことは本当に感謝しかないです」と挨拶した。
 
 会場には5万6399人が詰めかけ、『ABEMA』で放映されたPPVも50万人以上が視聴した。まさにメガイベントと呼ぶにふさわしい大会での自身のパフォーマンスについては、「ダウンを取ったシーンは500回ぐらい見たんじゃないですか(笑)。本当に久々に楽しかった」と強調。そして“神童”は、「初めて一睡もできなかった。この興奮から冷めたくないなという感じ」と、勝利後に感じていた想いを吐露した。

 マイペースで言葉を紡ぎ出した那須川は、ここからプロボクサーとしての新たなキャリアを歩む。無論、多士済々のボクシング界はキックボクシングで無敗だった天才にとっても容易ではない過酷な道だ。しかし、23歳の若武者は「生半可な気持ちで転向するというわけじゃない。自分でも期待しますし、ファンの方にもワクワクしてほしい」と口にした。

 新たなページを切り開く23歳は、ボクシング界でスターダムを駆け上がるのか。「やるからにはチャンピオンになる。それは誰しもが思い描くものだと思う」と言う那須川には大きな何かをやってくれそうな期待感がある。

取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)

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