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格闘技・プロレス

米NYタイムズ紙もアントニオ猪木さんを追悼。批判浴びたアリ戦を「格闘技界の歴史を変えていたかもしれない」との見解も掲載

THE DIGEST編集部

2022.10.03

米紙でも追悼記事が掲載されたアントニオ猪木氏。伝説のアリ戦が再びクローズアップされている。写真:平工幸雄/アフロ

米紙でも追悼記事が掲載されたアントニオ猪木氏。伝説のアリ戦が再びクローズアップされている。写真:平工幸雄/アフロ

 プロレス界への貢献、さらにはさまざまな分野での功績も世界に知れ渡っている。

『燃える闘魂』として国民的な人気を誇ったアントニオ猪木さんが今月1日に亡くなったことを受け、海外メディアでもこのニュースを大きく扱っている。

 米紙『The New York Times』は現地時間2日、猪木さんの追悼記事を配信。同メディアのアレックス・トラウブ氏がその半生を綴っている。

【画像】米記者が紹介した伝説の一コマ! 猪木が世界を驚かせたアリキックの瞬間をチェック
 記事では冒頭より「1976年にモハメド・アリと対戦して有名になった後、政治家として、また世界中を飛び回る平和の仲介人として活躍した」と紹介しており、続けて「アリとの総合格闘技の試合で引き分けたことで知られ、そのショーマンシップで北朝鮮、イラク、パキスタンでも名声と影響力を得た」と、プロレス、政治、両方での実績を記した。

 トラウブ氏は「ミスターイノキは、フランスのヌーヴェルヴァーグの映画監督のように赤いスカーフを華麗に着こなすこともあった」と印象を述べると、さらに「1976年6月26日、東京で行われたモハメド・アリとのスタントマッチで、アメリカでの注目を集め、その名を世界に知らしめた。アリはボクシングのヘビー級世界チャンピオンであり、この試合は2人の男の戦いであると同時に、2つのスポーツの戦いであるとも言われていた」として、モハメド・アリとの「格闘技世界一決定戦」に言及。

 その上で、世界中から「凡戦」と評されたこの一戦について「ある専門家のコメンテーターは違った見方をしていた」として、総合格闘家のコナー・マクレガー氏のコメントを掲載。マクレガー氏は、第6ラウンドで両者がグラウンド状態になった場面について振り返っており「あの瞬間、レフェリーが2人を引き離すまで、あと5秒、10秒続いていたら、イノキはアリの首か腕を巻き込んで、その場で格闘技界の歴史を変えていただろう」と語ったとしている。

 トラウブ氏は他にも「海外でも辣腕を振るった。パキスタンでは、地元の新聞でモハメド・フセイン・イノキとして知られるようになり、パキスタン人レスラーの有名一家に対抗意識を燃やした」として、1976年のアクラム・ペールワン戦を回顧している。

 日本のみならず、世界の格闘技界に計り知れない影響を与えたアントニオ猪木さん。その足跡は多くのファンの記憶にも永遠に刻まれるだろう。

構成●THE DIGEST編集部
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