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フィギュア

米国の超新星マリニンが4回転ジャンプ6種類7本の超異次元構成! 宇野昌磨も「僕よりクオリティが高い」と脱帽

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2022.10.07

マリニン(左)の質の高い4回転ジャンプに宇野昌磨(右)も絶賛した。(C) Getty Images

マリニン(左)の質の高い4回転ジャンプに宇野昌磨(右)も絶賛した。(C) Getty Images

 フィギュアスケートの国際大会ジャパンオープンが、10月8日にさいたまスーパーアリーナで開催される。今年は3年ぶりに日本、北米、欧州の3地域に分かれ、アマチュアとプロの男女混合チームによる対抗戦が復活。各選手のフリーの合計得点をチームの総合得点とする団体戦形式で順位を決める。国際スケート連盟(ISU)公認の国際大会だが記録は非公認。その前日公式練習が、同会場で行なわれた。

 日本からは2月の北京五輪で銅メダルを獲得し、今年の世界選手権で金メダルに輝いた男子のエース、宇野昌磨が登場。「シーズン初戦でフリーだけですけど、今年はルールもプログラムも変わる。練習で積んできたコンビネーション(ジャンプ)を試合という場所で自分がどうなるのかを、この大会で試したい」と、意気込みを語った。

 今大会には9月にISU公認大会のUSインターナショナルクラシックで、人類史上初の4回転アクセルを着氷したアメリカの17歳、イリア・マリニンも出場する。多くのスケート関係者が注目した、この日のマリニンの曲かけ練習は4回転ジャンプを6種類7本も入れる、超異次元な構成を披露した。

 4回転アクセル、4回転フリップ、4回転ルッツ、4回転ループ、4回転ルッツ+1オイラー+3回転サルコウ、4回転トウループ+トリプルアクセル、4回転サルコウ+3回転トウループ。全て綺麗に着氷とまでは言えないが、それでも衝撃の内容だったのは間違いない。
 
 公式練習で一緒に滑った宇野は「(マリニンには)刺激を受けました。アクセルがうまいことは知っていました。今日のフリーの構成もすごいですけど、アクセルだけでなく全てのジャンプの質が高い。僕より高いクオリティでやっていることに刺激を受けました。まだ試合前ですけど、この大会に出られて良かった。今シーズン自分が何を目指すのか、それが見えてきた。今年1年頑張れそうです」と、アメリカの超新星を絶賛した。

 さらに「(ジャンプが)高いですし、力が入っていない。怪我をしにくいジャンプをしている。毎回同じジャンプを跳べているし、完成されている」と、具体的な点も挙げた。

「僕には4回転アクセルや今以上の構成は現実的ではない。ネイサン・チェン(アメリカ)選手みたいになりたいとか、ユヅくん(羽生結弦)と対等に戦える自分になりたいと思ったけど、今は環境も変わって自分自身を磨いてる。マリニンくんの状態を見た時に、こうやって現れるのかという感じ」
 
 同じく宇野と出場するもう一人の日本代表、三浦佳生は10月2日(日)東京選手権が終わった翌日に電話がかかり、大会出場が急遽決まった。鍵山優真が出場予定だったが、怪我が完治せず、代わりに三浦に白羽の矢が立った。「優真からも連絡があって『マジ出れなくてごめん』というのと、『怪我でもされたら俺にまで責任が来るわ』みたいな感じで言ってました」と、盟友との秘話を明かした。

 三浦もマリニンの異次元な構成を目の当たりにし「もう訳が分からない。4回転アクセルもそうだけど、プログラムに入っているものが、全部4回転ジャンプだったので。『初めて4回転を7本も入れた』と言っていた。すごい格の差を見せつけられた。負けたくないというか、呆れる感じ」と、圧倒的な構成内容にお手上げだった。

「自分は自分のペースで上げていきたい。これからシーズンが始まる前に、いい経験をさせてもらうことができるので、自分を試す感じでできることをしたい」と気持ちを切り替え、明日に備えた。

 本格的なフィギュアスケートシーズンのスタートに向けて、各選手がどんな演技を披露するのか。とくに今年の男子フィギュアは見逃せない。

取材・文●湯川 泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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