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「こちらに勝ち目はなかった」絶対王者を苦しめた“日本のエース”張本智和の快進撃に中国メディアも脱帽【世界卓球】

THE DIGEST編集部

2022.10.08

巧みな試合運びで絶対王者と堂々と渡り合った張本。(C)Getty Images

巧みな試合運びで絶対王者と堂々と渡り合った張本。(C)Getty Images

 完全アウェーのゲームの中で、日本のエースは奮闘した。

 10月8日、中国で行なわれた「世界卓球」の男子団体戦準決勝で、世界ランク3位の日本は同1位の中国に2-3と惜敗。1969年ミュンヘン大会以来、53年ぶりの世界一はならず、銅メダルが決定した。

 大会9連覇中の中国に日本は堂々と渡り合った。とりわけ異彩を放ったのは、第2試合に登場したエースの張本智和(IMG)だった。ライバルの王楚欽と対峙した19歳は、第1ゲームこそ落としたが、力強いサーブや鋭いチキータで流れを変え、怒涛の3ゲームを連取したのである。

 勝利の瞬間に「ウォーーッ!」と後ろにのけぞり、倒れ込んで喜びを爆発させた張本は、中国が第3ゲームを手にして迎えた第4試合にも登場。ここで世界ランク1位の樊振東に向かった19歳は、ハイレベルなラリーの応酬のなかで集中力を失わず。そして11-7で先取して地元の観客を沈黙させる。
 
 そして、第2、第3ゲームを落とした張本だったが、第4ゲームは32本のラリーを展開しながら11-9で奪取。そして、最終ゲームを11-9で奪って、“世界最強の男”を破ってみせたのである。

 運命の最終第5試合で戸上隼輔が王に接戦の末に破れ、日本はあと一歩だけ及ばなかった。しかし、追い詰めることさえも難しいとされる絶対王者に歴史的な熱戦を演じた健闘ぶりには、敵国メディアからも賛辞が飛んだ。

 中国のスポーツポータルサイト『新浪体育』は「最終的に中国が決勝へ駒を進めた。だが、ハリモトは自信に満ちており、世界1位の男を破った」とレポート。さらに中国メディア『TITAN』も「日本の若いラインナップは中国に影響を及ぼした」とマッチサマリーに記し、怒涛の連勝を飾った日本のエースについては「ハリモトは常に世界最高になる可能性を持った選手だ。彼がパッションを解放した時点でこちらに勝ち目はなかった」と脱帽した。

 惜しくも“大国”の牙城は崩せなかった。それでも世界の大舞台で日本が見せた健闘への反響はしばらく止みそうにない。

構成●THE DIGEST編集部
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