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「私に引退してほしくないと思っているようです」25歳元世界女王トゥクタミシェワが現役を続ける理由を露メディアに激白

THE DIGEST編集部

2022.10.12

今季でシニア12年目を迎えるロシアのトゥクタミシェワ。彼女が現役を続ける理由とは――。(C)Getty Images

 現地時間10月9日、フィギュアスケート女子シングルのエリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)が、ロシア通信「タス通信社」の取材に応じ、キャリアを続けるモチベーションについて語った。

 トゥクタミシェワは、11-12シーズンに14歳でシニアデビューを飾り今季でシニア12年目。14年のグランプリシリーズで2連勝を飾り、12月のグランプリファイナルで初優勝を果たすと、翌年の世界選手権では金メダルを獲得。世界のトップに君臨した。だがその後、成績が下降し18年の平昌オリンピックは出場を逃した。

 転機が訪れたのは、北京オリンピック前年の世界選手権。ここで圧巻の演技を披露した。ショートをノーミスで滑り切り、同郷のアンナ・シェルバコワ、日本の紀平梨花に次いで3位。フリーでは2度のトリプルアクセルを着氷。ジャンプのミスは後半の1度だけで、残りをノーミスで滑り切ると得点はフリー141.60点、ショートとの合計は220.46点。この時点で1位となりメダルを確定させた。

 得点を待つキスアンドクライでは、信じられないというように目頭に手を当てて、嬉し涙を流す姿はスケートファンの胸を打った。6年ぶりの世界選手権出場で銀メダル。表彰台に、ようやく世界女王が帰ってきた瞬間だった。北京オリンピックは惜しくも代表入りを逃したが、それでも彼女は現役を続けている。
 
 いつからか、トゥクタミシェワはロシアフィギュアスケート関係者の間で『Empress(女帝)リーザ(エリザベータの愛称)』と呼ばれるようになった。25歳の現在もトップ選手として活躍しており、次世代のソフィア・アカチエワ(15)やカミラ・ワリエワ(16)、アレクサンドラ・トゥルソワ(18)など、4回転ジャンプを武器とする10代の若い選手たちとしのぎを削っている。

 現地時間6日には、ロシア国内で開催された大会「ニコライ・パニン・コロメンキンメモリアル」に出場。ショートでは冒頭のトリプルアクセルを綺麗に決め、大人の雰囲気を醸し出した魅力的なプログラムを披露した。

 トゥクタミシェワはタス通信の取材に対し「(ショートは)3回転―3回転のコンビネーションジャンプを予定していましたが、3回転―2回転になってしまいました。でも、あとはうまくいきました。全体的に、自分のスケーティングには満足しています」と演技を振り返った。

 4回転ジャンプについての質問には「練習はできなかったけど、近い将来プログラムに入れる予定はないです」と、若手たちが武器とする4回転ジャンプを構成に組み込む気がないことを明かした。

 そして彼女は現役を続けるモチベーションについて、次のように語っている。

「私はチームが大好きです。彼らは私を指導することに関心を持ってくれており、私に引退してほしくないと思っているようです。これだけ和やかな雰囲気がチームにあって、私の健康が許せば、スケートを続けてもいいのではないでしょうか?」

 現代の女子フィギュアスケート選手にとって25歳という年齢は、もう若くないのかもしれない。それでも、ロシアの女帝はまだ歩みを止めるつもりは毛頭ないようだ。これからもリーザは、大好きなチームメイトたちと一緒にスケート靴を履き続けリンクに立つ。

構成●THE DIGEST編集部

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