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コストルナヤが記者デビュー!「新しい職業を学ぼうと、この道を選んだ」後輩ワリエワの演技に賛辞「感情豊かに滑った」

THE DIGEST編集部

2022.09.29

19年GPファイナル女王コストルナヤがロシアテストスケートで記者デビューを飾った。(C)Getty Images

19年GPファイナル女王コストルナヤがロシアテストスケートで記者デビューを飾った。(C)Getty Images

 女子フィギュアスケートの19歳、アリョーナ・コストルナヤがジャーナリストデビュー!?

 19年グランプリファイナル金メダリストであり、20年欧州選手権を優勝したコストルナヤが現地時間9月27日、ロシアの国営通信社「タス通信」に記者として登場。9月24、25日に行われたロシアナショナルチームの演技会、テストスケート(ロシア・モスクワ)に出場した選手たちについて、自らの見解を語った。

 コストルナヤは「半年前、もし誰かが私に『フィギュアスケートをスタンドから見ることになる』と言われたら、おそらく笑っていたでしょう」と語り、「新しい職業を学ぼうと思い、ジャーナリズムの道を選びました。取材ゾーンで、少し前まで同じ氷上で競い合っていた選手たちに質問するのは、とても面白く新鮮でした。そして、いつもと違う視点でフィギュアスケートを見たり、伝えたりすることができます」と、ジャーナリストデビューを振り返った。

 その中でも、コストルナヤが特に気になっていたのが、やはりカミラ・ワリエワ(16)だった。今年3月までエテリ・トゥトベリーゼコーチ率いるサンボ70に所属し、“チーム・エテリ”の一員として、レッスンや氷上練習で切磋琢磨してきた可愛い後輩だ。当時15歳のワリエワは2月の北京オリンピックでドーピング騒動に揺れ、金メダルが確実視されながらフリーでミスが相次ぎ4位に。メダルを逃し、得点を待つキスアンドクライでは顔を覆い号泣した。

 ドーピング騒動の疑惑が今だ晴れないワリエワは、25日のフリーで自らが当事者となったスキャンダルをモチーフとした衝撃のプログラムを披露。曲は映画「トゥルーマンショー」の音楽だった。4回転ジャンプやトリプルアクセルはなかったが、キレのある連続ジャンプや伸びやかなスケーティングで切迫していく曲調を表現。演技の最後には衣装の右肩部分に仕込まれた黒いフードを被った。これは当時北京オリンピックで、ワリエワがフードを被って取材ゾーンを通過。海外メディアから「薬をやったのか?」と問いかけられていた。演技後は思いがこみ上げて涙する場面も。ロシア放送局「チャンネル1」などによると、「みんなに自分のストーリーを見せて、伝えたかっただけ」と語ったという。
 
「ワリエワのフリーのプログラムは、北京オリンピックで自分に起こったことを捧げた。プログラムのアイデアそのものについては、どちらかというと私は複雑な思いがあります。私自身もまだ現役のアスリートであり、この話題についてはあまり話したくはない」と、かつての後輩の胸中を思い言葉を紡いだ。

「ただ一つ言えることは、今回のカミラの演技には感動しました。プログラムの音楽という点では、興味深い出だしでした。これは良い発見であり珍しい終わり方でした。カミラは感情豊かに、繊細に、うまく滑っていました」と、ワリエワの演技を絶賛した。「でも、彼女の過去のプログラムを全部見比べると、似たようなスタイルになっているんですよね。先にカミラが動いて、音楽があとで鳴る。新しいものが見たいですね」と、盟友だからこそ知るジャーナリスト目線も忘れなかった。

 国際スケート連盟(ISU)は、ロシアのウクライナ侵攻を受けロシア、ベラルーシ選手の国際大会からの除外措置を今季も継続している。ロシアは今シーズン国内各地で行われるシリーズ大会を主戦場として戦うことになる。コストルナヤは最後に「テストスケートは終わり、もうすぐシーズンが始まります。そして、医師からは「(フィギュアスケートが)できる」と言われた。だから、私もそうします」と綴り、昨年12月に負った右手骨折からの復帰を明かした。

 華麗に銀盤を舞い、トリプルアクセルを綺麗に決めるコストルナヤの姿が戻ってくる日も近いのかもしれない。

構成●湯川 泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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